やはりルーミアは両手を広げて走るようだ。
なのに、また微妙に速いというやっぱり封印されるほどの妖怪なんだなぁとしみじみ。
でも弁当を頬張る姿は完全に子どもなんだよなぁとルーミアを撫でながらしみじみ。
去年同様、ルーミアが競技に参加していないときは椅子からこっち向いて両手をぶんぶん。
ん?ルーミアが横の子達に話しかけられてるな。
と思ったらルーミアの横の子たちまで手を振ってきた?!
ボクは混乱から来る苦笑いで手をひらひらと振り返した。

閉会式が終わって、ルーミアが友達と話しているとけーね先生がこちらへ向かってきた。

慧音先生「少し話がある、ルーミアに関するとても重要なことだ」
カリンカ「え、はぁ…」
慧音先生「最近、ルーミアがよく噛み付くようになったりはしていないか?」
カリンカ「え、えぇ。最近多いですが、ルーミアがどうかしたんですか…?」
慧音先生「お前と暮らすようになってから、ルーミアは人を襲っているか?」
カリンカ「いえ、襲わないようにしているようですが…」
慧音先生「それはまずいな…。いいか、妖怪の存在意義は人間を襲うことなんだ」
慧音先生「その前提で、ヒトを襲わない妖怪はどうなると思う?」
カリンカ「存在意義がなくなる…?」
慧音先生「つまり、ルーミアが消え去る可能性もある。ということだ」
カリンカ「は…?」
慧音先生「ルーミアを失いたくないなら、対策を考えなくてはならない」
慧音先生「無論、私も協力をする。だから、お願いだ…!」

もちろん、ルーミアを失いたくなんかない。