小さな手。
その小さくて柔らかくて、暖かい手が大好きだ。
今日もルーミアと散歩をすることにした。どこへ行くわけでもない。
歩いてゆくのだ、ただひたすらに、真っ直ぐ。
それだけで、十分だったから。家を出て、まずはどの方向に進むかを決める。
左だ。理由は太陽が出ていたから。ソレほどまでに無計画だった。
どう楽しむかの計画なんていらない。だってルーミアがいればそれだけで楽しいから。
ルーミアが楽しめていなかったら、少し考えがあるので問題は無い。
ルーミアと手を繋いで、真っ直ぐな道を歩いてゆく。
芝の生い茂る中を、伸びる肌色の土の道。
少し暑い太陽と、それを和らげる風とが心地良い。
道の途中にはいろいろなものがある。それを見つけるたび、ルーミアはとても喜ぶ。
ルーミアは、楽しんでくれているようだ。

ルーミア「りんか、楽しいね」

笑顔と共に流れる言葉には、2人の幸せがあふれ出ていた。