外人さんとジャパニメーションの話 | 凰太郎WORLD in Amebablog

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今回は先頃投稿した『外人さんとパワーレンジャーの話』延長的な内容
まぁ、あくまでも〝私の個人的感想〟ですけれどw

前回書いたように『パワーレンジャー』は絶大な浸透力に懐古的人気を帯びているワケですが、一方で『日本のアニメ/ジャパニメーション』も人気は高い。
多くは私達に馴染み深い作品が、やはり根強い人気にあります……が、タイムラインで投稿を見るに、微々と日本人とは異なる嗜好差も窺えて面白いのですよ。




まず高支持率に〝推し投稿〟を見掛けるのが『美少女戦士セーラームーン』ですね。
コレは納得。
そもそも現状(外人オタク発生)の礎石を築いたのは、世界中に飛び火した本作品のフィーバーから来ていると言っても過言ではありませんから。

で、もうひとつの『美少女戦士』の代表格『プリキュア』も多くあるのですが、やはりどちらかと言えば『セラムン』の方が多い感に在り、また傾倒熱も高い性質が感じ取れる。
例えば〈プリキュアファン層〉が同世代少女アニメ『アイカツ!』等も並列視に愛好しているのに対して、基本的に〈セラムンファン層〉は「もうコレだけ! コレ以外にない!」という感じに〝一途にセラムンラブ〟な臭いをプンプン放っている。
コレはおそらく日本と同じで〈セラムン世代〉〈プリキュア世代〉という世代差派閥が生まれている時代経過現象だと私的には見ています。
しかも、コアな〈セラムンファン層〉だと、やはり『元祖TV版』に傾倒していて『近年リメイク版』には然程触手を動かしていない(というか、場合によっては『元祖TV版』との比較にやや軽視的な雰囲気さえある)。

ちなみに(必ずしもではありませんが)日本の支持層と違って、ほとんどが女性層支持率で埋まっているようにも映ります(男性層はストレートに『パワレン』へと流れて棲み分けているのかしら?)。




次が『聖闘士星矢』ですか。
世界規模メガヒットなビッグタイトル『ドラゴンボール』『ワンピース』も当然ながら多々ありますが、何故か『聖闘士星矢』の過熱の方が上回っているように感じられます。
ま、これも分かるんですよ。
先述の『セラムン世界進出期』には本作品も含まれていますから(厳密にはやや以前で、前身的フィーバーとも言える)。
この作品も〝外人オタク発生〟の種火的存在としては『セラムン』と双璧なのです。

平成期に東映アニメ正統続編『聖闘士星矢Ω』が放映されましたが、その際のスタッフインタビューによると『聖闘士星矢』はヨーロッパ圏やブラジルで殊更高い人気を誇り、作品終了後も根強く支持を得ているとか。
で、私的分析にはなりますが、この西欧人気の背景には〝キャラクターデザイン:荒木慎吾〟による美麗タッチは大きな起爆剤と機能していると感じています。
前述した『ゴルドラック/グレンダイザー』もまた〝荒木慎吾〟の代表作のひとつですし、実は固執的外人ファンを獲得している『魔女っ子メグちゃん』『花の子ルンルン』も〝荒木慎吾〟の代表作(余談になりますが近年作だとアニメ版『遊戯王』も〝荒木慎吾〟です)。
早い話が〝繊細シャープなタッチで美麗過ぎる〟んですね。
デビュー当時にも関わらず、その美麗さと作画レベルの高さから、業界では「直しいらずの荒木」とまで称されていたほどの高水準アニメーターです(当然ながら現在では大御所中の大御所ですよ?)。
斯く言う私も〝荒木美少女フェチ〟ですもの。
長年ずっと「メグちゃん&ルンルンと結婚してぇ!」と妄想し続けていますものwww


ま、そんな赤っ恥はさて措き……そうした〝荒木タッチ〟が、殊に『西洋人の美的感覚』にガッツリとマッチしたんでしょうな。

加えて言えば『聖矢』『グレンダイザー』『メグ/ルンルン』には共通する要素もあって、それは〝作品世界観や演出が根本から西洋的ドラマティックさと美しさに彩られている〟という事。
実は、コレは『荒木作品』ではないものの『セラムン』にも言えます。
『ドラゴンボール』と『星矢』、『マジンガーZ』と『グレンダイザー』、『アッコちゃん』と『ルンルン』、『プリキュア』と『セラムン』……改めて比べると浮彫になると思いますが〝泥臭い〟〝汗臭い〟〝庶民派〟といった野暮ったい要素を切り捨てた〝高貴な選民感〟とか〝優雅なブルジョア感〟に在る。
『星座の神秘に導かれた女神の守護戦士』とか『亡星の王子が繰り広げる宇宙規模スペクタクル』とか『花の妖精に見守られて世界旅行』とか『月の王女が転生したラブロマンス』とか……。
そうした要素と〝荒木タッチの美麗(※この考察点は寛容に『セラムン』を除いて下さい)〟が見事にツボッたのでしょうね。
筋肉隆々が「クリリンの事かーー!」と金色怒髪天と化す〝熱苦しさ〟よりも。

その一方でブラジル圏に於ける『星矢』のウケ方は些か異なるようで、コチラは『友情・努力・勝利』のジャンプ標語性質が直球的にウケているようです。
先述のスタッフインタビューによると『星矢』はブラジルを始めとした〝サッカー国〟にてとりわけ高支持率を誇るとか……。
その要因として「チームプレーでありながらも同等に重視されるのは個人で、その作風がサッカー競技の根本と合致しているためと思われる」といった旨を述べていました。
なるほど、こうした国々では先立って『キャプテン翼』が国民的キャラクターと愛されていますから、その延長上派生という感覚でしょうか。
しかも、それが〝カッコイイ星座の鎧で熱い異能バトルを繰り広げて友情賛歌に勝利するカタルシス〟という未知&未体験な作風のワケですから、そりゃ『キャプ翼』と同質の魅力ながらも異なる魅力を発揮して夢中にさせますわ。



これらとは異なる派閥と思いますが、男性層が熱に支持しているのが『ダイナミックロボット』──つまり『永井豪ロボット作品』ですね(飛び火的に当時の王道スーパーロボット全般に及ぶ形にも在りますけど)。
その在り方は『パワーレンジャー』と同質ではありますが。
『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『グレンダイザー』『マジンカイザー』『ゲッターロボ』『鋼鉄ジーグ』『獣神ライガー』と……そればかりか『サイコアーマー ゴーバリアン』『グロイザーX』『Xボンバー』『マシンザウラー』とか「日本国内でも結構なオタしか知らねーよ!」的なマニアック作品まで網羅に推してくるwww

私的に興味深いのは、散々紹介してきた『ゴルドラック』の支持層とは微々とスタンスが異なる点ですか。
コチラの層は『マジンガーシリーズ』として並列視に支持していて、つまり我々日本人と同感覚に『グレンダイザー/ゴルドラック』見ている。
対して『ゴルドラック』の支持層はあくまでも『ゴルドラック』という単発にて傾倒完結している感が強い。
これは面白いエピソードですが、フランスでは『ゴルドラック/グレンダイザー』の後に『マジンガーZ』が放映されるという逆順序で、だから「何で脇役の兜甲児が主役格上げにロボット乗ってんの?」的に捉えられたそうな。
しかも『ゴルドラック』に比べて全然奮わなかった。
前項で書いたように『ゴルドラック/グレンダイザー』が〝西洋的な美的感覚の世界観〟であったのに対して『マジンガーZ』は〝泥臭くて野暮ったかった〟んでしょうね……初見には。
ましてや『マジンガーZ』は初作(『グレンダイザー』よりも三年以上前の作品)ですから作画レベルも低い(というか『マジンガー』と『グレンダイザー』は根本からスタッフが違うのですが)。
そうした背景からか、やはり『ゴルドラック』には及ばなかった。
ところが一方で、スペイン・ブラジル・韓国などでは『マジンガーZ』『グレートマジンガー』は市民権に高い支持率を誇ります。
もちろん、その『熱さ』も込みで。
放映順が異なるだけで、これだけの印象差が生じるのだから、サブカル史というものはホントに面白いものです。
ちなみに日本に於いては『トランスフォーマー』『G.I.ジョー』の関係が、まさにコレ。
本来は『G.I.ジョー』の方が先なのですが、日本では輸入順が逆だったために『G.I.ジョー』は『トランスフォーマー』の人間アレンジ派生と捉えられ、だからなのかイマイチ浸透しなかった。

この『ダイナミックロボット』というのは、実はこれまで書いてきた『日本サブカルフューチャー』の礎石中の礎石を築いた作品でもあります。
当時、永井豪先生は親密仲の講談社編集長と頻繁に海外旅行をしていたそうですが、そんな中で「マジンガーZやゲッターロボは無国籍キャラクターとしての性質が色濃いから海外でもイケるんじゃないか?」と二人して閃いた。
そこで海外旅行の際には自費でインディーズ上映会を開催して布教し、やはり自費で用意した『超合金』などの玩具も会場で売り捌いたようです。
こうした地道な宣伝活動ながらも、未体験作品に魅せられた層も確実に得て、最終的には『マジンガーシリーズ』『ゲッターシリーズ』を混在にひとつの世界観と纏めた『SHOGUN』というブランドに確立──コミック展開などにも漕ぎ着きました。
が、どうやら時代に早すぎた戦略のようです。
当時は熱狂的な支持率に預かりました(現在の外人支持層は、そういう事でしょう)が、現在のように『ジャパニメーションフィーバー』には結実せず、結局は時代経過に懐古作品と鎮静化しました。
ですが、この礎石があればこそ、これまで書いてきたような『パワレンフィーバー』『セラムンフィーバー』『星矢フィーバー』などがスムーズに浸透する素地と機能していたとも考える事が出来ます。
この経緯を永井豪大先生は明るい苦笑に回顧しています。
「あれは失敗しちゃったよね……結局『トランスフォーマー』で、余所に稼がせちゃったw」
……無駄じゃなかったですよ? 大先生?
それどころか、ここに於いても『日本マンガ文化』の躍進に大きな一石を投じています。
さすが鬼才にして革命児です。

チト蛇足を書きますが、私が〈創作者〉を志した根源は、実は幼少期に『永井豪作品』の洗礼を強烈に受けたからなんです。
だから〝永井豪大先生〟は、私にとって絶大な原点存在であり、ずっと「心の師!」と仰ぎ続けている偉大な存在です。
そうした背景もあって、こうして国境や世代を超えて愛されているというのは感慨深いものが込み上げてきます。


ま、それはさて措き──このように日本のアニメや特撮は、それだけでも〈クールジャパン〉と捉えられる魅力に富んでいます。
ええ、ハリウッドが『要らんリメイク化:原作ガン無視の実写映画化』をせずとも。
日本人は、もっと誇らしく胸張っていい。
「日本のって、子供っぽかったり、オタクっぽいし……」じゃない。
グローバル視点で見れば〝そこ〟が唯一無二の魅力とウケているんです。
ま、こうした背景を読んでくれた人達が認識して「日本の作品ってのも潜在的底力がスゴイんだなぁ」と思ってくれたら、長々と駄文を綴ってきたオイラも幸いw



さて、このテーマにて絶対外せない作品として『トランスフォーマー』がありますが……コレは改めて書く必要も無いよね?www
ま、その内、気が向いたら『トランスフォーマー』だけで書くかもしれませんが(※確約は出来ません)。
その時は、また駄文ながらも読んでやって下さい。
作品への愛情は込めて綴っていますから。
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