本種の流通が減った原因についての考察です。
まずは飼育面から
通年でペア飼いしても問題ない場合もあるが、時にメスがオスに殺されてしまうことがあり、繁殖が途絶える。オス単体が市場に出回ることが多いのはこの結果と考えられる。繁殖自体はさほど難しくなく交尾、産卵も比較的スムーズに行われ、受精率、孵化率もよい。
寿命は15年ほどだがその割にメスの繁殖寿命が短いように感じる。高齢な場合を除いて3~4シーズン(1シーズンあたり4個、2~3クラッチ平均)、累積産卵数が30~40個あたりになると健康な卵の数が極端に減る(柔らかかったり中身のない卵が増える)。ただ上記の条件を過ぎても継続的に繁殖している例も過去に聞いているので一部の流通個体に近親交配による繁殖力の低下が起きている可能性がある。
協調性がなく幼体の育成に手間がかかる。多頭飼いの場合、体の小さい個体が大きな個体に攻撃されて萎縮し、成長が抑制される一方で大きな個体はより成長が促進され、時に小さい個体が殺されることもある。成長期に小さいケースで育てると大きく育たないことが多いため単独飼育の場合でも45×30欲を言えば60×30の面積が必要となる。性成熟に3~4年要することも繁殖を断念(その間にペアのどちらかが死んだりして)する要因かと考えられる。成長しきるまで雌雄の判別がつきにくいこともしばしばある。発色の遅い雄の場合、メスと勘違いして育ててしまい手元にオスしか残らないケースもある。
次に流通面から
また買えるという楽観的な予想から種親候補を手元に残さなかった結果、早々に繁殖寿命を迎え産卵が止まり新たな種親も導入できずに継続的な繁殖につながらなかったといったことが国内外で起きた可能性。
そして野生個体の保護対策とEU圏での流通規制(サイテスⅢ)の強化による輸入量の減少。
以上の要因が複合的に絡んだ結果が流通現象の要因ではないかと考えております。
本亜種以上に流通量の少ない基亜種のニシカナリアカナヘビも同様の状況ではないかと思われます。
今回出品する個体の種親は別々の時期にドイツより輸入されたCB個体であり、過去に当方で繁殖、販売していた国内CBの姉弟(兄妹?)どうしの親から生まれた個体ではなく、全く別々血統の可能性の高い個体たちからとれた子供となります。導入準備も含めて数年がかりで昨年ようやくとれた新しい血統ですが、メスの年齢がはっきりとわからないため、今後この血統での継続的な繁殖が望めるかわかりません。上記の流通事情に加え、ここ数年の欧米での急激な価格高騰(2年ほど前の時点で幼体でもUSA市場で1000~1200ドル、昨年のEU圏でも1000ユーロ前後と聞いております)を踏まての価格設定となっておりますことご理解いただきたく願います。