愛知県で住むところも決めて後は

入学を心待ちにしていた翌年の3月10日、

ポポのもとに一本の電話がありました。

相手は東大合格発表を見に行った弟のピカからでした。

「真歩ちゃん、受かった。」

「えー、やったあー良かったね。」

発表後ピカが一番先に知らせたのは、

学校の先生でも友達でもありませんでした。

姉のポポだったのです。

(すぐに連絡をいれる約束をしていた

先生からは後で叱られましたが・・・・)


二人はしばらく話していました。


その事実は私を嬉しくさせました。


小さい頃から何でも猛スピードで吸収する弟ピカは、

ポポのゆっくり取り入れるペースをかき乱してきました。

ポポはこの無邪気な物知り男を弟に持ったおかげで

どんなにかみじめな思いをしたことでしょう。

成績優秀な弟のために自分は大学へは行けない。

とずっと思い込んでいたはずです。

しかしポポはその弟の大学進学を一番心配してたのです。

「ピカはたった一人で東大受けるからきついよねぇ。

東大となるとピカだけの問題ではなくなるからね。」

とはよく言っていました。



実はピカが高3、ポポが大学受験を決めた9月に、

夫の勤めていた会社が倒産したのです。(ひぇー、マジか!?)


ピカは、

「地震があろうが親が倒産しようが、

自分は必ず現役で東大に行く。

すべったらもう大学へは行かない。」と言いました。


ポポは、

「ピカの進学のために自分用に貯めていたお金を使っていいよ。

大学へは自力で行くから。」と言いました。


(テー、二人とも大学へは行くんだ。そこは変わらないのね。)


どうやら二人の子供たちの決意は、親の動向とは

関係のないレベルにいっているみたいです。


あー、ついていかないのは親の経済力だけかぁ???(笑)


二人の姉弟はタイプは全く違うものの

大きくなってからは互いに一目置く存在だったようです。

ピカはいつもポポのつくる作品を誉めていました。

「ポポちゃん、すごいねぇ。」

ポポは話上手のピカのおしゃべりに

いつも大笑いしていました。

「ピカの話はなんであんなに面白いの?」

結局この姉弟は、2学年のずれがありましたが、

いつでも同じ時にスタートすることになったのです。

保育園にはいるのも

空手を始めるのも

テニスをはじめるのも

果ては大学進学まで同時期にはじめています。


親にとって一番嬉しい事は

やはり姉弟が仲良くする事ですね。


大学生になった今でも互いに行き来をしているようです。

二人で集まって親の悪口で盛り上がれば本望です。




4月、やっとの思いで再就職を果たせた夫が

ポポの入学式へ行きました。


ポポにとって

待ちに待った芸術大学での授業が始まりました。






写真は1年後、算数演劇「まん中はぼく」に出演した我が家族です。

この演劇で、私は作・ポポは出演と絵・夫は歌・ピカは演技指導で

参加しました(笑)

幼児に右と左を絶対的映像として覚えてもらおうという目的の

演劇なのですが、夫がちゃっかり歌まで作って自分で歌いました。


♪まん中はぼく

右はママのけーきやさん

左はパパのどうぶつえん

<中略>

はてしない宇宙の星の中の

ちっぽけな地球のこの場所に

ママとパパにあいにやってきたよ

だからいっしょに歩いていこう

・・・・

いつかあなたは大人になる

私たちはそれを見守ります

だからステキに生きて行ってね

愛を胸に抱いて♪


夫の作った歌詞を見て思いました。

どうやら寡黙な夫も子育てには苦労したようですよ。

親ならだれでもいっしょか(笑)

悪乗りしてYOUTUBEにアップしたので

よろしければどうぞ。

この曲を流しながらの幼児のワークショップは

けっこう楽しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=SQMMwCfprz0


<つづく>