
昨日は、内部充実をはかれて初めて次の段階に進める
というお話でした。
自然界のチョウやカエルのメタモルフォーゼに例えたのですが、
子育て講座では、マズローという心理学者が
欲求ピラミッドなるものを作って示してくれていますので、
このお話もよくします。
欲求ピラミッドの絵を見ると、
カエルのレペテ君は自分でピラミッドの頂点を目指して
歩いていますよね。
親は、下の方で見守るだけです。
あーなんて楽な子育て・とっても素敵です。
(詳細は「レペテの毎日」に示しています。
ご希望者には配布していますので、ホームページからご
請求下さいね。よく若い学生さんが請求してくれます。
私はとてもうれしいです。
やっぱりビジョンを持つことが一番大切ですからね。)
考えてみれば、私はマズローなどの理論は知りませんでしたが、
子供自身が勝手に好きな道を見つけてきてそれに向かって
進んで行ってくれたようです。
では、これからが肝心。
やっぱり子供の力を引き出すにはちょっとした
しかけ・細工が必要なんですよね。
私は数学が好きなので数学との関わりでお話しますね。
私は小さい頃、算数が大嫌いでした。
よく算数教科書から押しつぶされる夢を見たのです。
しかし素直に算数が分からないとは言えなかった。
だから余計に算数恐怖症でした。
それが小学校5年生のある授業のとき、
先生がこう言いました。
先生「よーし、今からものを7進法で数えてみるよ。
1,2,3、・・・6、10・・・」と言い始めるのです。
私「はっ?7進法?何それ?」
先生「では次は5進法だ」
とつぎつぎに先生はその進法とやらの数字を
変えて行きました。
最初はきょとんとしていた生徒もだんだんやり方が分かり始め、
勘のいい男子などはゲームのように楽しんでいました。
私はいつまでたっても意味がわかりません。
最後に先生は言いました。
「いいかあ、みんな、物は何進法でも数えることができるんだよ。
でも色々な国で数え方が違えば、都合が悪いだろう!!
だから世界では10進法を使うように決めているんだよ。」
私は、ようやく先生の授業最後の言葉を聞いて合点がいきました。
「えっ?何?それじゃあ、算数ってただの決めごとにすぎないの?
算数は上から押さえつける強い権威の物のように感じ、
恐れおののいていたのですが、その時から算数と私の立場が
逆転しました。
「算数よ。よくも今まで苦しめてくれたなぁ。
お前はただの決めごとにすぎないじゃないか!!」
そこからです。
私が算数が得意になって、ゲームのように楽しみはじめたのは。
人は自分の思い込みですべての感情が生れます。
その思い込みが粉々に打ち砕かれた時、
自由の光を得る事が出来るのです(ピカ)
この自由の大いなる希望の光は、
思い込みが強ければ強いほど、より大きな喜びとして私たちを
照らします。
つまりピカには思い込ませる時期が必要だと言うわけです。
幼少時にすでに右と左を自分を基準として判断するという、
基準の概念には触れていました。
カレンダーなどで、10を基準に位があがることも充分
知っています。
「いつだ?この子に7進法を与えるのは?いつか一番効果的か?」
考えた末、私の時より、1年早い小4のころに教えました。
いきなり、何食わぬ顔でピカに言いました。
「ねぇ、いつも10進法でものを数えるの飽きたから、8進法で数えてみない?」
ピカ「????」
高校生になったピカが打ち明けてくれました。
「悔しいけどあのときの8進法がおかんに教えてもらったなかで一番よかった。
初めは、何を言ってるのか、このおばさんって思ったけど、
あれからものをどうやって見るか分かったよ。俯瞰だね。」
そりゃあ、そうでしょ。人生は細工なのですよ。ピカ君。
<つづく>