こうしてみれば、合格する人・落ちる人の違いは、

どうもどれだけ机にかじりついて勉強をしたかではないようです。

私はピカが小さい頃から、どのように学びを受け入れて行ったかを

思い出して、自分の仕事に活かそうと考えたのです。

私は、45歳でのセンター受験の経験から、

自宅で小さな数学塾を開きましたが、

彼らが大学受験を終えてからは、幼児教育に転向しました。

やはり小さい頃のものの捉え方・幸せな数との出会いが

もっとも重要だと感じたからです。

まずそのとりかかりとして、

『自分を基準にして右と左が決まるのだ』という考え方に

スポットをあてたというわけです。

私は幼児向けにこんな演劇仕立てのワークショップを作りました。

題名は『まん中はぼく』




地球にやってきたピカちゃんは、

毎日新しい発見があってとてもワクワクします。



ある日、運動場にひとり泣きながらごはんを食べるような

かっこうをする幼稚園生のポポちゃんをみつけます。

ピカ「ポポちゃん、どうしたの?」

ポポ「あのね、おゆうぎの練習で先生が右に

   行きなさいって言うでしょ。

   でも私右がどっちか分からないの。
  
   ママはおはし持つ方が右よっていうけど、

   私何度やってもどっちでおはし持ってるか分からないの。」

ピカ「えー、そうなんだぁ。それは悲しいね。

   分からないってすごく悲しいよね。

   でもなんでそんな教え方をママはしたのかなぁ。

   他のママはどんな教え方をしているかちょっと

   ポポちゃんとのぞいてみようか。」

ポポ「うん。」




パターン① 踏切の前にいる親子

ママ「いい、チョコちゃん、今電車が来たでしょ。

   今のは右から来たのよ。いい、あっちが右よ。分かった?」

チョコ「?????」





パターン② 写真を撮っている親子

ママ「チョコちゃん、もう少し右によって、右」

チョコ「???」

ママ「右はえんぴつ持つ方でしょ。早く右によって」




パターン③ 並んで座っている親子


ママ「いい、チョコちゃん、今ママが座っている方が右よ。

   分かった覚えてね。」

チョコ「????」


これらの教え方は、幼稚園の保護者講座で得たアンケート結果を

もとにしたものです。

やはり半数以上の家庭で、おはしを持つ方が右という教え方を

しているようです。

なかには、視力検査で穴のあいている方向が右か左かが分からず

随分と視力が悪い判断を下された経験を持つママもいました。

これらの教え方は、どれも“まずは基準をすえるのだ”

という考え方を伝えきれていないと思います。

学ぶべき知識の多くは、絶対的なものです。

それは主観をはさむことなく受け入れなくてはならないのですが、

右左や後ろ前は、基準とするもので変わる相対的なものなのです。

数学では、この基準という考え方がその根底にあるような気がします。

数字の基準は1であり、10進法を採用しているので10が基準とも

言えます。

また割合で基準が変わることを経験し、

極小の範囲を基準にとると世界が変わります(微分の考え方)

私は幼児教育と言っても直接幼児に教えるのではなく、

周囲の大人がいかに子供を認めるかが子供の能力を伸ばすカギと

なっていると感じてますので、

幼稚園の先生や保護者といった方々を対象に講座をしています。

とくに幼稚園の先生対象の講座は大好きです。


幼稚園の先生講座の様子(いろいろな意見が飛び交う楽しい講座です(*^_^*)
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<つづく>