パチパチと薪が弾ける音がする。
部屋の中は暖炉の火に照らされて、穏やかな暖色に染まっている。
少女は、そんな暖炉が発する火をじっと見つめていた。
もうすぐ彼女は15歳になる。
祖父としたある約束が迫っていた。
それは、少女が今より幼かったときから、ずっと夢見ていたことを実現するための道だった。
「ユニー?」
後ろから名前を呼ばれて、少女は振り向いた。
くるくるふわふわとした髪が、振り向いた拍子に顔にかかる。しかし、少女は特に気にするわけでもなく、声の主を見つめる。
15歳にしてはまだまだ幼さの残る顔、淡い金色の髪はふわりと腰のあたりまで伸びている。瞳は、外に広がる大森林と同じく深い緑で、背も胸もまだまだ成長途中といった感じだ。
声の主は、件の約束をした祖父だった。
彼は、真っ白く伸びている髭をさすりながら、孫であるユニーに話しかける。
「ユニー、もうすぐ15になるな。荷物は準備できているかい?」
ユニーは、控えめに頷いた。
すると、老人はユニーの頭を撫でる。
そうして、優しい口調で言った。
「きっと、お前の事だから、上手くいくさ。なんたって、自慢の孫だからな」
そう言われると、照れてしまう。なんと言えばいいのかわからなくて、ユニーは黙っている。
ユニーは、約束の事を思い出していた。


ユニーがまだ10歳の時の事だ。
いつものように、祖父と一緒に店番をしていたユニーは、隣にいる祖父に向かってこう言った。
「私もお店が欲しい」
そう言うと、祖父は少し驚いた顔をして、ユニーの顔をまじまじと見た。
そして、いつも浮かべる笑顔で、ユニーに言った。
「じゃあ、この店をユニーにあげよう」
それを聞いて、当時のユニーは舞い上がってしまった。慌てた祖父は、ユニーを落ち着かせるために、ある約束をしたのだった。
「ただし、ユニーが15歳になったら、一人で商売の修行をしてくるんだ。そうして、商売がちゃんと出来たら、この店をあげよう」
えーっとユニーが不満の声をあげると、祖父は笑って、わしにもう少し店をやらせてくれと頼んできた。
ユニーはしょうがないなぁと言った。その話はそれで終わりのはずだった。
しかし、ユニーの中では、それで終わりでは無かった。
その日から、祖父と一緒にやる店番の意味が変わった。
今までより真面目に、ちゃんと店のことを覚えようとした。その働きぶりは、近所でも評判になり、祖父は終始上機嫌だった。
そして、その約束から5年が経とうとしている。
まだ、15歳のユニーだが、店の事は一通り出来るようになった。ただ、一つだけ祖父が絶対に手伝わせないこともあった。・・・それは、魔法のアイテムの仕入れだった。

祖父の営んでいる店は「オルゼット魔法店」と言う、子の地方でも古くからある魔法の店だった。
と言っても、日用雑貨も売っているので、客層は幅広かった。
魔法のアイテムの仕入れは、その店独自のルートから仕入れる。言うなればトップシークレット。店主以外は知ることが出来ないのだ。
また、自分でアイテムを取りに行くこともあり、危険だ。
ユニーは、一度祖父に仕入れの事を聞いたことがある。祖父は、こう教えてくれた。
「まずは、自分の足で良い職人を探すんだ。良い職人っていうのは、無愛想でも良いから、とにかく直感を信じてみるんだ。なぁに、仕上がりが悪ければ変えればいい。」
さらに言葉を続ける。
「・・・アイテムの調達は・・・そうだな、一人でやることになったら、一緒に調達に行ってくれる仲間を見つけるんだ。冒険家たちは、良い条件さえ出せばついてきてくれるぞ」
ユニーは、祖父の言ったことをメモに一所懸命書き込んだ。


「そうだ、ユニー。お前にこれをあげよう」
その声で、ユニーは現実に引き戻された。
慌てて祖父を見る。
彼の手には、ペンダントが乗せられていた。
おずおずとユニーはペンダントを手にした。
「これも、マジックアイテム?」
そう尋ねてみる。
祖父は、一度深く頷いた。
「わしが一人で修行をしていたときに、初めての冒険で手に入れたアイテムから作られたペンダントだよ」
ユニーは、そのペンダントの先に付いている石を明かりに向ける。
石を光に透かすと青く見えた。
「ありがとう、おじいちゃん」


それから、また数日が過ぎた。
運命の日である。
ここ、グィンダルから旅立つ日だ。
ユニーは、自分の髪をいつものように、左右に分けて結んだ。この日のために両親が用意した、卸したての服に身を包む。
祖父から、この話を聞かされた時は、軽く騒ぎが起こった。父親は、自分が店を継がなかった負い目があるからか、すぐに納得してくれた。
母親は、ユニーが必死に説得して、ようやく頷いてくれた。そして、自分の娘の手際の良さに感心していた。
両親の用意してくれた服、そして、祖父のペンダントを首に下げて、準備は万端だった。
家族と、いつも店に来てくれる近所の人たちに見送られ、朝靄の中、遠い地へ旅立つための馬車に乗り込む。
トラップを一段、また一段と登り、開いている席に座る。馬車には、すでに5人乗客がいた。軽く会釈をして、馬車から顔を出す。
父、母、近所の人たち、そして・・・祖父。
みんなの応援に応えていると、ゆっくりと馬車が走り出した。
ユニーは、少しずつ遠ざかるみんなに向かって、声を上げた。
「ユニリア・オルゼット、元気に行ってきます!!」
こうして、小さな少女の物語は幕を開けたのだった。
今、暖めている連載物があるのですが、今回は、結構世界観から固めていこうかなと思っています。
なので、若干難航中。
こんなのが書きたいという方向性は決まっているのですが…あるものを思い出しました。

だんじょん商店会/講談社
¥6,090
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これです。
知る人ぞ知る良ゲー!だんじょん商店会。
今やっても面白い。時間泥棒さんです。
魔法店を書きたいなと思っているのです。こう、冒険家を雇って、アイテムを探すぞみたいな。
まさに、そういうことをやるゲームです。
そして、それが出るなら忘れちゃいけないのが、

マリーのアトリエ ザールブルグの錬金術士/ガスト
¥6,090
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アトリエシリーズですよね。時間泥棒さんです。
僕は、無印とプラスの両方とも持ってます。
メルルも勿論買います。文鎮だってコンプしてやるんだから!

そりゃあ、魔法店とか書きたくなるよなぁ。

なんか、ずっと流しています。
アゼルバイジャンの辺りが好き。
そういえば、昔頑張って国名を全部覚えようとしたなぁ…。
アフリカで挫折しました…orz

あぁ、そういえば、リベンジは上手くいきました。
やっぱり、文法って大事ですね…。
それと、思ったのは、読者がいるということを忘れていた…という事でした。
もちろん、頭の片隅では覚えていて、それが基本だと言うことも分かっているのですが…。
マイナーな二次物だからといって、独りよがりになってしまったんですね。
趣味でやっている人間は、チェックする人がいないので、結局、自分が客観的に自分の作品を評価できるようになるまで作品を寝かせておくのが良いのでしょう。
ワインとかと同じで、熟成させる…。

このサイトにすでに投稿してある話も、そのうち自己批評とかやりたいですね。

話が前後しますが、俗にゆっくりボイスと言われるものが大好きで、割とよく実況とか上の動画みたいなのを探しています。
あと、ソフトークとかもダウンロードしたりして。
でも、ダウンロードしたところで使い道に困るんだよね、これ。
あっ、そうか!
ゆっくりさんに自分の文章を読んでもらえばいいじゃん。
嫌でも客観的に作品に向き合えそうです。