本日は、一日中ずっと雨。風も強かったですね。


まぁ、読書には丁度いい天気ではありますが、、、


予定では写真展を三ヶ所巡る積もりでいたのですが、仕方ないでしょう。


本日読了の本は表題の「私はいかにして『日本信徒』となったか」 著:呉善花 PHP文庫 です。


購入したのは数年前なのですが、忙しさにかまけて、というよりネットに時間を割いてしまった為、読みそびれていた本です。先日の地震で書棚から蔵書が多数落ちてきたのですが、其の中に本書があり、この際読んでしまおうと思ったわけです。


内容としては、韓国人の著者が日本に留学して以来考え続けてきた日韓の違いについての考察が中心をなしています。


著者は世代的に韓国で徹底的な反日教育を受けてきた、と告白しています。しかし実際に日本で暮らしてみると自分が受けてきた教育、それに伴い形成された先入観とは全く違う好印象を持ったと言っています。


何故なのか。その理由を探すことが彼女の一大テーマとなっていきます。


多くの日本人との邂逅や在日韓国人との交友、摩擦を通して徐々に彼女なりの思考を固めていくのですが、その過程を軽妙洒脱な文章によって克明に書き留めたものが本書と言って良いかと思います。


彼女の生い立ちや生育環境、軍務経験やその後の職業遍歴等を通して著者の一人の韓国人女性としての人物像が明らかになってきます。その彼女が日本に渡り、日韓の相剋に悩み、アイデンティティを引き裂かれる程の懊悩を経て、それでもなお力強く生きていく姿勢は爽やかな感動を呼び起こすものです。


本書は一人の女性の成長譚ともいえますし、勝れて日韓の比較文化論として読むことも出来ます。著者の並々ならぬ観察眼と洞察力の賜物といえるでしょう。肩肘の張らない文体は恐らく著者のキャラクターの反映だと思われます。彼女が物した多数の著作と併せて一読をお薦めする次第です。