森常吉は、桑名藩主松平定敬が京都所司代であった時に公用人筆頭として朝廷や諸藩との外交責任者であった。
戊辰戦争、上野戦争に参戦した後、同藩士らと共に徹底抗戦派の藩主松平定敬を護衛して蝦夷に渡航し新撰組に入隊し明治ニ年（1869）五月、新撰組頭取改役（隊長）に任命される。
函館戦争終結後、投獄されたが明治ニ年十一月十三日に桑名藩に引き渡されが藩主松平定敬を守るため全責任を負って江戸の深川藩邸にて切腹を申し付けられた。享年四十四才
辞世の句は、「なかなかに おしき命に ありなから 君のためには なにいとふべき」ともう一句 「うれしさよ つくす心のあらわれて 君にかわれる 死出の旅立」 最初の歌は、戊辰戦争の出征時に詠み、最後の歌は、切腹前に詠んだのではないでしょうか。