先週、桜の開花の知らせと共に…
以前から施設でお世話になっていた認知症母が静かに息を引き取りました。
夕方、施設の看護師さんからの一本の電話がありました。
午前中は普通に過ごしていた母が、午後になり体調が悪くなり、往診日で医師の診察を受け最期の時が確実に近づいてきている兆候との事。
昨年秋に、老衰や認知症に加えガンの発見もあったことから、施設での看取りを希望してお願いしていましたので覚悟は出来ていました。
直ぐに次女と駆けつけ、少し遅れて長女一家も合流し、初ひ孫と対面しました。
意識はありますが話す事は出来ず、声掛けには頷いていたのですが…
孫ちゃんを近づけて見せると、今までで1番の反応をして大きく頷いていました。
しばし皆で孫ちゃんを囲んで談笑し、見守っていましたが、看護師さんやケアマネさんとも相談し状態は落ち着いてはいるので、残された時間は2.3日中との判断をし、施設と自宅も近い為、一旦帰って休んで変化があれば駆けつける対応をする事にしました。
ところが…
家につくと直ぐに夜勤の介護士さんから電話があり、たった今様子を見に行くと息を引き取っていましたと…
そのまま、もう少し居たら良かった…
また施設に戻り対面しました。
まだ温かくて気持ち良さそうに寝ているような穏やかな母でした。
不思議と涙も出て来ない。
ただただ、無言の母と向き合う時間に。
色々あったけど…
言いたい事もいっぱいあったけど…
亡くなって初めて本当の意味で母を心から許そうと思えたのかも知れません。
ありがとう
頑張ったね
お疲れ様でした
を伝えられました。
この施設での看取りは…
夜間はコール対応の看護師さんが来てくれましたが、医師の往診はない為、朝になってから正式な死亡診断となります。
葬儀社への連絡もしなくてはならず、後は介護士さんにお願いし一旦帰宅しました。
この日の夜勤は母が入所時からお世話になっているフロアー責任者の男性。
お礼と感謝の気持ちを伝えると…
元気だった頃の母の話をして目を真っ赤にして「最初からお世話させて頂き、お看取りまでさせて頂けて本当に良かったです」と…
その言葉に、初めて涙が溢れてきました。
無理な延命処置はせず、自然な形での看取りのお陰で、90をゆうに超えた母の顔は、穏やかで若々しく笑っているかのように安らかなものでした。
支えて頂いた施設の、介護士さん、看護師さん、、栄養士さん、作業療法士さん、相談員さん、全ての方に感謝でいっぱいです。
意外にもパニックでうつの私が、冷静で取り乱すこともなく葬儀の準備を始められ、葬儀は極小さく家族だけで、無宗教での一日葬にて無事見送ることが出来ました。
今はホッとしております。