最終講 | 宗慶二オフィシャルブログ~とある現代文講師の日常

宗慶二オフィシャルブログ~とある現代文講師の日常

大学入試予備校
現代文講師

河合塾→東進→登録者35万人YouTube予備校『ただよび』校長→online塾bridge+校長(←いまここ)

鬱屈した日常を、少しだけ斜に視ることで、風を吹かせられたら…
と思います。

受験勉強の箸休めに、どうぞ。

ついにただよびでの無料動画収録を完遂しました。

 

YouTubeという不慣れな形態で、なおかつ様々な出来事があり、やり遂げることそのものが大変でしたが、スタッフの方々に支えられて、ようやくここまで来れたというのが正直なところです。

 

応援してくださった方々、食らいついて授業を視聴してくださったみんな。

ありがとうございます。

心からお礼申し上げます。

 

 

 

それにしても無料で授業動画をUPするなんてことは、予備校講師としてはめちゃくちゃな話で、ステーキ屋さんがステーキをタダで配り歩くみたなことです。いやいや現物は消費すればそれで終わりで後腐れがないわけですが、授業技術というノウハウは知的財産そのものであり、無料で不特定多数へ露出すべきものではないと考えるのが常識です。いわば「盗まれ放題」というやつです。

 

この点は各方面からさまざま意見ありお叱りあり忠告あり・・・お金を払ってもらって授業を受けている生徒たちに失礼だとは思わないんですかというお言葉もあったりして、そりゃはもうお気楽に動画収録できたのではまったくありません。画面の中では楽しそうに話していても、(実際楽しんではいましたが)障害物競争みたく色んなことが起こったりもして、もう少し静かに職務に専念させてもらえないものかと切ない気持ちになることもありました。動画再生数にしても、初めはそこそこ回っていても、ひと月もしないうちから激減し、目も当てられない悲惨な状況でした。あざける人も笑う人もいて誇りもプライドもボロボロです。だから言わんこっちゃないと言われたりして。予備校でごく普通に生徒たちを教える、日頃慣れた業務がつくづく楽に思われたりなんかして、不思議な気持ちでした。それでも何でも一度やると心に決めたことです。最後までやり抜く一念で自分を追い込んでいました。そんなときに皆さんからいただくコメントは心底励ましになっていて本当に有り難いものでした。コメントしてくださった方々、本当にありがとうごさいます。僕がここまでやり切れた理由の半分は「言葉の軽い人間には絶対にならない」という信念で、もう半分は僕を支えてくれたスタッフさんたちの努力です。特に収録を担当してくださった安齋さん。いつも差し入れに栄養ドリンクを買って冷やしてくれました。どんな場面でも僕の仕事がし易いように心を砕いて尽力してくれていました。本当にありがとうございました。また僕にとって1番心労が激しい編集をずっと支えてくれた南岡さん。到底僕にはこなし切れない物量の微に入り細に渡る動画確認を毎回続けて書き潰したノートが山のようで、その労を思うと頭が上がりません。ありがとうございました。スペシャルサンクスを届けたい人は他にもたくさんいます。この場を借りて心からお礼を言いたいです。本当にありがとうございました。

 

ただよびには実際優れた先生が集結しています。

でもそれだけでこの場所が稼働できるのではありません。これは誰かがきちんと伝える必要があると思います。今までまるで誰もやったことのない、YouTube上の予備校というトンデモ新機軸に、ある意味で不慣れな人間たちが集結して(当たり前ですが)、ひとりひとりのそれぞれが手探りで汗みどろに奮闘努力した結果、みんながスマホで視聴するあの動画たちが出来ています。すべての授業の裏側には、何人もの人間が黒子のようにいて、見えないだろうけれど昼夜を分かたず懸命に作り続けているんです。表に現れることだけが事柄のすべてではないことを、僕は改めて痛感しました。

 

最後になりましたが、特段に感謝するべきは、何といってもただよびの授業動画を視聴してくださったみんな1人ひとりです。ありがとうみんな。見えないみんなのことを思いながら一生懸命に「現代文」を語りました。どこに住んでいてどんな境遇であるのか。どんな風に僕の授業を視聴してくれているのか。みんなのことを思いながら、いたずらにテクニックに走るのではなく、どこまでも正直に課題文と格闘する方法を伝えたつもりです。

 

 

 

かつてこのブログにも書きましたが、僕はYouTube予備校をやる前、亡き父親にやり抜くことを約束しました。結果はどうあれ思い切って跳んでみることを約束しました。当然ながら言葉を交わすことができなくなった人との約束は死んでも破るわけにはいきませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

お父ちゃん。

今の僕は、そこからどんな風に見えていますか。