充電の不安がなくなったので、ワンセグで報道番組を見ていた。

相変わらず、防災放送は知りたい事は何も伝えず、消防団に集まれだの巡回しろだの連絡ばかりが聴こえてくる。

やっと電気の復旧に触れたが
『復旧は見込めません』
おかげで諦めがついた。

先にに書いたブロック塀や瓦屋根、ガラスなどの被害は見て知っているが、下手に出歩くことも出来ず全体の被害の程度がわからなかったので、ワンセグはとても役に立った。

相変わらず電話は繋がらないままだが、おそらく実家付近は無事だろうとも思えた。

肉親は全員が内陸部に住んでいるので、地域的にな被害は俺のいる海岸近くに比べ少ないようだった。
もっともそれはテレビに写る被害が海岸ばかりだという事での、心許ない想像に過ぎない。


『NHKでは停電で情報を得られない方々の為に、インターネットでも放送を開始しました』

停電している状態で、ネットに接続出来る人がどんだけいるのやら…
ノートブックのバッテリーが無限な訳じゃなし、接続方法もかなり限定的だ。

ワンセグすら見ている人は多くないだろう。避難場所で充電出来るとは思えないし、コンビニすら営業してないので簡易型の充電器も手に入らない。
ガソリンスタンドも営業してないから、車に残ったガソリンも無駄に出来ない。

テレビでどんなに津波からの避難を呼びかけても、現場はほとんど誰も見ていない。見る事が出来ない。

福島での原発からの避難も、茨城で知る人は少ないだろう。

宮城の映像を見ていれば、わざわざ海岸に行って津波にのまれるなんて人も出なかっただろうに…
もとよりワンセグもどこでも受信出来る訳じゃない。

被害らしい被害を受けてない俺でも、情報の少なさには焦燥感が募る。

携帯のメールは送受信出来るようになったが、実家は携帯自体繋がらないし、繋がったところで両親はメールが使えない。

世の中がどんなに便利になっても、万能な物はないんだと気付かされた。

最低でも電池式のラジオを買っておこうと思う。
彼女は今日昼頃起きたくせに、21時には寝てしまった。
真っ暗で何も出来ないとはいえ、肝が座ってるというかなんというか…

俺は俺で車の中でブログ更新…

なんにしても、二人とも無事です。