周囲の様子を注意深く見ながら歩いた。
電気が止まり信号が動かず、交差点は渋滞していたが、家や商店から外に出てきている人達の表情に暗さはなく、一様に驚いたというだけの雰囲気だったが、それは俺自身が無傷だからそう見えていただけだった。

早くも救急車が来ている家や、ブロック塀や瓦屋根が崩れている家、通りに面した大きなガラスが割れているコンビニ、グランドに避難する高校生など、だんだんと不安を煽られてくる。

地震直後から歩いている間も、携帯であちこちのサイトから情報を得ようと試みたが全て無題だった。
アクセスが集中しているのか、接続されなかった。

最初の情報は市の防災放送で、それで分かったのは震度6弱だったことと、津波警報が出されている事だけで、23:29現在でも有益な情報は一つとして聴こえて来ない。

歩いている途中でまた大きな揺れを感じて立ち止まると、クリーニング屋からおばちゃんが飛び出してきた。
『怖い怖い怖い怖い』
舗道にしゃがみこんだおばちゃんとちょっと話して、落ち着いた所でまた歩き出したらセガレから電話がかかってきた。

『地震あった?』
ずいぶんと間抜けな問いかけだが、セガレは修学旅行で沖縄にいるので、ニュースなどで知ってかけてきたのだろう。
『大変な事になってるけど…』そこまで言ったところで切れてしまい、その後は現在も繋がらない。

30分ほど歩き、彼女の職場に近くなったところでやっと、ワンセグの機能を思い出した。
まともな情報をようやく得られた安心は、すぐに違う不安に変わった。

なんだこりゃ…

最初の地震の余震だけではなく、3つの大きな地震が起きてる?
さっきクリーニング屋のおばちゃんが飛び出してきたのは、まさに地元茨城沖が震源の地震だった。

つづく