気持よく晴れた朝
アパートのベランダに
二日酔いから来る吐き気を
我慢しながら
洗濯物を干して
仕事に出かける

帰宅して
洗濯物を片づけようとしたら

強風にあおられたらしく
物干し竿ごと落下していた

あらら
ベランダの床に
物干し竿で丸く穴が
開いちゃってるよ?

この直径5cmほどの穴で
保険屋と闘うハメになろうとは・・・・

管理会社から
入居の際に入っている
保険でカバー出来るかもしれんから
電話してみ
と言われ

○井住○海上火災に
事情を説明した。


少々割愛しながら・・

「借家人賠償うんぬん保険が適用
されますので、なにやらかにやら・・・」

感じのよさげな声の
池尻さん(仮名・女性)が
説明してくれた

「10万円以下の修理費でしたら
先にならずもの様がお支払いして
いただいて、その領収書をもとに
保険金をお支払いいたします。」

「免責はあるんですか?」

損害保険にはたいてい
免責金額が設定されている。
保険が適用されても
自己負担しなくてはならない
金額のことだと思ってもらえばOK。

「ええ、3万円の免責になります」

3万円まで修理費かからないかもなぁ

3万円の修理費だったら
6万円で領収書切ってもらえば・・・

なんてコズルイことも
考えてみた。

こんな説明を聞いた翌日
件の保険屋からまた電話があった。

仕事中で、しかも運転中だったので
出られなかったのだけど

何度も何度も
連続でかかってきた。

車をつぶれかけの
パチンコ店の駐車場に停めて
折り返すと

「風による風災被害ですので
昨日ご説明した補償ではなく
○○補償の対象となります。」

「はぁ」

「つきましては、修理費用を
先にならずもの様に
お支払いいただきまして
その領収書をもとに・・」

「俺がやることは
昨日と同じですよね?」

「10万円以下の金額で
うんぬんかんぬんです」

「免責金額は変わるんですか?」

「こちらですと、ご負担頂く免責は
3千円になります」

3万円と3千円では
えらい違いだ
でかしたぞ池尻さん!


後は修理するのみかと思われたが
また翌日電話がかかってきた

他の電話中に
何度も何度も連続で
どんだけの急用なのか

イラっとするよね。

「今回の被害は
ベランダの床でしたよね?」

「ええ」

「実は昨日話した補償は
床は対象外でして・・・」

ベランダの床だけ
ピンポイントで対象外?

「床は・・・・申し訳ございません。
そこで、免責3万円の方に戻るのです
けども」

「はぁ」

「で、こちらは風災が適用外なので
ならずもの様の過失によるもので
なければなりません」

「は?」

まだまだ続きます
長くなるのでご注意を


「洗濯物を干している最中でしたよね?」


「干している最中?俺が干すという行動を
取っている最中って意味?」


「ええ、そうおっしゃいましたよね?」


「洗濯物干されている間の出来事で
俺が干している最中とは言ってないけど?」


だいたい干してる最中に
そんな強風が吹いていたら
外には干していない。

「はぁそうですか・・・ブツブツブツブツ」

運転中で
ワイヤレスのイヤホンマイクを使って
話しているので
声が小さいと聞き取れず
ちょっとイラついてきた

「あぁぁ?なに?」

「当日は天気予報は見られました?」

「あ?」

「天気予報を見て、今日は強風が吹く
と知っていたのに、対策を怠ったという
過失があれば補償の対象となるんです」

「雨が降ると困るから、天気予報は
見てるけど、風が強くなるとは
しらなかったけど?」

「それでは補償の対象となりませんので
対策を怠ったという過失が必要なんです」

「朝洗濯物を干して、仕事に出かけた訳ですよ。
強風が吹くかもしれない可能性を無視して
対策を怠ったってのと、なんか違うのかい?
だいたい天気予報を確認してかも
当日強風が吹くって言っていたかも
それを俺が確実に見ていたかも
証明出来ないよね?」


「そうなんですけども、
対策を怠ったという過失が必要ですので・・・」


「言葉の違いだけだよね?
車の車両保険でも
イタズラなら保険適用だけど
らくがきは適用外ってのと一緒のことだよね?」

「そうなんですが、予期出来ない不測の事態は
補償できないんです」

自車の損害に使う
車両保険に加入している方は
注意して欲しい点だけど

クギや硬貨などで
バカって車にかかれたものを
「らくがきされた」って言うと
保険が効かないなんて
信じられない話が
本当にあります。
ちゃんと、保険証券の補償になる対象の
言葉を使うようにご注意を。


「俺はそこんとこをわざわざ嘘つく
つもりはないよ?
もう一度言うけど、対策を怠ったってのは
天気予報で強風を確認したかしないか
なんて関係なく対策してないんだから。

だいたい予期せぬ不測の事態に
適用出来ない保険って、なんの
為の保険なんだよ。

予期してて対策出来るなら
保険いらなくね?」


「でも、過失がないと・・・」

「ごめんな池尻さん、アンタが悪い訳でも
ないんだろうと分かってる。
上司からこれは払えないケースだから
そう説明しろって言われて
俺に電話してきてんだろ?
たかだか数万円でも
なにかしら理由つけて
支払いを免れようとするのが
保険屋だからな。
前に車の保険扱ってて
そんなのもいっぱい見てきたよ。

だけどな?
よ~く考えてくれよ?

過失だろ?

天気予報がどうだろうと
強風対策を怠ったのが過失だと
するなら
立派に過失は成立してんじゃん?

言い方が違ってるだけだろ」


「過失がないと補償出来ないので
今回はお支払い出来ないんです」


「もともと免責内で直っちまうかも
しれないもんだから
もう金のことはいいわ・・・・
もともとアテにもしてなかったし

だけどな?
天気予報がどうのこうのって
子供のケンカみたいな難癖つけてくる
根性がどうにも気に入らねぇ


床の補償は出来ないなんて
アホな保険に無理やり加入させた
管理会社にガッツリと
ゴネさせてもらうわ」


「もう一度よく調べて
月曜日にご報告いたします」


疲れた・・・・

まだ保険請求はおろか
修理の見積もりすら
してないのに・・・・