不健康な食事、不味くないか?

 

 

 

一人暮らしを始めて一年が経ちました。桜も散って夏の足音が近づいてきた。

 

なんかさ、頭のわるい食事って美味いよな。主食にチャーハン、主菜に唐揚げ、副菜に金時豆の甘煮、おやつにカップ麺、メンチカツとエビマヨもお供に…最高ですよね、本当に。特に夜中にようつべ見ながら食べる脂質ぶっぱ飯、罪の味がする。甘美な罪の味、

 

そんな生活を半年とちょっと続けていたら5キロ太りました。5キロ、5キロ…

運動もろくにしてないし夜勤を続けたせいで生活習慣も終わっている。ふつーに考えれば当たり前のこと、体重計、怖いよ。

えーんなんでこんなことに…

 

 

でもさ、何度挫けても立ち上がる強さ、欲しいよな。そう思い立ってあすけんを始めたよ。

あすけんっていうのはダイエットアプリみたいなやつ。食べたものを記録すると栄養価を算出してくれる有能アプリ。しかも栄養バランスによてその日1日の点数を出してくる。

 

100点、取りたいよな。どうせやるなら高みを目指したい。わたくし、頑張りました。

サラダチキン、もち麦ごはん、味噌汁、あらゆるものを駆使し平均点が70点を超してきた。頑張ってる。あすけん始め出した時、同時にジムにも通い始めました。余談。

 

 

 

でもさ、たまには揚げ物、炭水化物、好きなもの食べたいよ、それが自由だよ、自由ってさ甘美だよな。

 

というわけで、お昼にダル着でスーパーに行きました。向かうはお惣菜コーナー。キラキラと輝く揚げ物たちを見てるとさ、心が浮ついて、自由が体に染み渡る感じがするよな。

お弁当コーナーに行った。メンチカツが美味そうでさ、食べようか迷った。けど表記されてるカロリーが1400カロリーだったから、見た瞬間心臓がヒュっとしたよね。一食でその日のカロリー全部消費するわけにはいかないよ。

 

でもメンチカツ絶対食べたくて、お弁当用のミニメンチカツ買った。

あとはエビマヨ。あんま食べたことないけど美味そうだったから。いももちも買った。美味そうだったから。アイスとコーヒーゼリー、わらび餅も買った。お金が減っていくのと比例して、幸福感が胸を埋める。最高…

 

 

家までの帰り道、耐えきれなくてアイス食べた。幸せ。

 

 

とりあえず買ってきたお惣菜をさらにうつしてレンチンする。あったかい方がうまい。

ほかほかの揚げ物たちは輝いて見えた。絶対に不健康だとわかっていてもやめられない。そこに幸せがあるとわかっているから────

 

 

 

 

 

 

 

おいしくなかった。

 

全然おいしくなかった。美味しかったのは最初の3口ぐらいであとの方は残すか迷ったぐらいおいしくなかった。

ただ腹を満たすだけのご飯だった。そこにあるのは幸福なんかじゃない。虚無だった。

お惣菜がまずいのか?否、わたくしの味覚が変わってしまっただけなのだ。揚げ物ばかりの不健康な食事。おいしくなかった。惣菜を手に取った時の高揚感はもう消えていた。買った時が一番幸せだった。

 

 

よく漫画である名家のお嬢様がファストフードを食べて感動するシーン、あれは嘘だ。所詮フィクションなのだ。バランスのいい食事をとっている人の舌は不健康な食事用にはなっていない。不健康だからこそ不健康な食事が甘美に感じるのだろう。

 

 

現実を知った、19の春。

 

 

健康的な食事は体にも心にもいいのだと、実感した。

未来さん(あすけんの女)わたくし、頑張るよ。