2024年11月15日。
大阪中之島美術館にて、「塩田千春個展 つながる私展」を観てきました!
この展覧会については事前に少しだけ調べてから行きました。というのも、私はインスタレーションについてあんまり詳しくないんですね、なので「せっかく行くのに良さが分からないと悲しいな」と思って展覧会の感想をみたり塩田さんについて少し調べました。
結果としては調べていかなくても楽しめた部分が多い、といった印象でした。
さて、以下からは感想です。
総合的な感想としてはインパクトの強さが印象的でした。
入場からたくさんの赤い糸と大きな赤いドレス。とにかく大規模で壮観でした。
つかみとしてはこれ以上ないくらい印象的で、赤い糸の空間に入った瞬間から会場の空気感に引き込まれる感じがして、作品に置いていかれる感覚が無かったのが流石だと思いました。
私はよく、キャプションに注目しがちなのですが「つながる私」のキャプションは主張が控えめで、作品の補助的な役割というより分からない人に向けた簡易解説という印象です。無くてもいいんじゃないかと思うくらい作品が分かりやすかったというのもポイントですね。
現代アートに明るくない私でも「分かりやすい」と感じさせる展示はすごいですね、本当に。
分かりやすさは作品と鑑賞者に壁を作りませんし、作品に内在する主張や意味に置いてかれがちな私は今回、初めて心からいいと思えるインスタレーションに出会えました^ ^
その分かりやすさは使われている素材が意味を持って干渉しあっているところにあると思います。赤い糸は「血」や「縁」を感じさせますし、実際人体模型が使われていたりするあたりもそれを意図しているのが分かります。途中、あからさますぎないか?と感じたところもありましたが、大規模な作品に大きなテーマを分かりやすく配置する素直さに好感が持てました。
中盤あたりで作家インタビュー?のような30分ぐらいの映像が流れていました。金曜日だったのにおばさまおじさま方が所狭しと椅子に座って鑑賞していて、興味深かったです。私は最後まで観ていませんが、よくNHKでやっているドキュメンタリーのような感じで、話されている内容も面白かったですが、単純に映像として見やすく面白かったです。
その映像を見ていて、塩田さんは割とあっさりしてる方なのかなといった印象を受けました。作品の制作過程のお話も回りくどくなくて(尺の都合もあるかも知れませんが)すっと頭に入ってきますし、海外留学中のお話でも与えられた課題に対して素直に作品作りをされているように感じましたし、作品もいかに鑑賞者に伝わるかといった視点で構成されているように思います。
この展覧会自体扱われているテーマとしては、どれも身近なものが多く、ものによっては重いテーマかとも思いましたが、そんなテーマでもあんだけスッキリした後味のいい展覧会になっているというのは、作家本人のあっさりとした性格から来ているのかも知れません。
最後の感想としては、大きい作品が大きく動いていて、考えずとも作品から意味を与えられるような展示は分かりやすいし、分かりやすさは鑑賞のハードルを下げてくれる良いものだと感じました。やっぱり世界で活躍されているような作家さんは作品の持つ主張と作品自体の絵の強さとのバランスが上手いなと感じます。このバランス感覚は制作経験の多さと磨かれてきたセンスを思わせますね。
そして、展覧会名の通り、この展示は言語や人種の壁を超えて人と人を繋げてくれるような展覧会だと強く思いました。


