「銀杏」の読みは「いちょう」も「ぎんなん」もあります。

「ぎんなん」は「銀杏」の音読みです。

 「銀」は「ぎん」、「杏」は「あん」(唐音=宋代以降の音)で、
「ぎん+あん=ぎんなん」は、「観音」が「かん+おん=かんのん」となるのと
同じ連声現象です。
この連声現象は、宋代以前の中国語で顕著だったので、このことから、
「銀杏ぎんなん」という言葉が、宋代(平安末期)に

(おそらく銀杏自体といっしょに)中国から伝わったのだと推定されます。

「銀杏ぎんなん」は本来、木の名でもあり、実の名でもありました。
その後、明代(室町時代)に、中国から銀杏の別名「鴨脚(樹)」

(葉が鴨の脚に似ているから)が伝わり、「鴨脚」の近代中国語音「ヤーチャオ」が
なまって、「いちょう」になりました。
その結果、従来の表記の「銀杏の木」を「いちょうのき」と読むようになり、
実のときだけ「銀杏」を「ぎんなん」と古来の読み方で読んで、
区別するようになりました。