ブログ「*Forever and ever*」のりかさんから、誕生日プレゼントに素敵なお話を頂きました~!(*≧∀≦*)

誕生日の夜中に、島のカボチャを狩りついでにピグ内をフラフラしていたのですが(←他にすることないのか)、部屋に戻るとりかさんが来訪!!
夜中のテンションでオタク話をさせていただき、さらにおねだりしてお話をもぎ取ってしまいましたwww

りかさん、ありがとうございます!!

可愛い蓮様です(*´∇`*)
では、どうぞ♪



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本棚の奥の秘密**




珍しく夕方から休みになった日に限って、愛するキョーコは仕事で夜にならないと帰ってこない。

ただ夜の早い段階で帰ってくるというので、大人しく待っているようにと釘を刺された。


(迎えに行ったって良いじゃないか)


絶対にやめて!と力強く言われた否定を思い返しては、ささくれ立つ心を止められない。

それでも言われた通りに、空いた時間をどうするか、考えを巡らす連はしっかりキョーコに躾けられているのかもしれなかった。


夕飯の準備はキョーコが昨日の夜から仕込んであるグラタンとオニオンスープ。

彼女が帰ってから、サラダを作って終了っと言っていたので、特にやるべきこともない。

ジムで汗を流すには少々時間が足らなくて諦めた時、ふっと思い出したのは、まだ見ていないDVDの存在。

丁度2時間ちょっとの内容で、キョーコが帰ってくる時間までの良い暇つぶしになると、目的のものを探す為に本棚へと目を向ける。

中段より下にずらっと並んだDVDの中、丁度下段にある目的のタイトルを手に取ろうとすると・・・


(・・・・あれ?)


何かに引っ掛かるような感触が手に伝わって、疑問符が湧き上がる。

腰を屈めて覗いてみると・・・・ノートのような、ファイルのような、なんだかこの棚には似つかわしくないスカイブルーの文房具が、隠されるように存在した。

思わず手に取って、背表紙を捲る。




本当に、他意はなく。

ただ単に、そこにあった、から、中を確かめた。

本当に、他意などなかった。



     衝撃が背中を突き抜ける。




「きょー、こ・・・・」


そこに綺麗にスクラップされているのは、『敦賀 蓮』としての自分の活躍。

スナップや切抜きの横に丁寧な字で、その時の状況や、体調などが記されていて。

それは誰よりも、何よりも、自分のことを深く理解しているのだと、感じることが出来る内容だった。


捲るページ、捲るページ。

愛が溢れてきそうな程に丁寧に切り取られた、自分と。

愛が溢れてきそうな程に丁寧に書かれた、キョーコの文字。


顔が緩むことを止められないのは仕方ないことだろう。

だって、こんなにも彼女の愛を感じられることなど、滅多にないのだから。

未だに体のパーツが!!等と言ってくる事すら、愛おしい。


「早く、帰っておいで」


ふふ、と笑いながら、当初の目的のDVDは棚に返し、見つけた宝物をじっくり鑑賞しようと、ソファへ移動する。





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「蓮さん、ただいま」

「お帰り、キョーコ」


予定の時刻よりも少し早めの帰宅に、思わず声が弾んでしまう。

何度も何度も見返したこのスクラップブックをどう、切り出そうか考えていると・・・・


「れ、れ、れ、んさん!!

なに持ってるんですかー!!????」


心地良い程の声量が部屋に響いた。


「なにって・・・愛の結晶?」


切り出す手間もなかったな、と思いながら、顔の横にスカイブルーのそれを掲げてみる。

可哀相なくらい蒼白な顔のキョーコに思わず、苦笑が込み上げてしまう。


「な、ぜ・・・それを・・・」

「そこに隠れてたよ?」


そこ、と指で示す先は大変大きな本棚。

視線だけで、そこを確認したキョーコはがっくりと肩を落とした。


「見ちゃいました?」

「もちろん、見ちゃいました」

「そう、ですか・・・」

「そして、とても愛を感じました」


にこやかにそう言われると、恥ずかしくてしょうがない。

キョーコは背筋をむず痒さが走り抜ける中、蓮においでと誘われた。

拒むことなど最初から選択しにはないのだから困ったものだけど・・・・

秘密を見つけられてしまったあとだから、居心地が悪くてついついためらってしまう。

それでも、ほら・・・と言われて、夢遊病者のようにふらふらと膝の中に納まってしまうのは、もう脊椎の反射神経にばっちりと刻み込まれている行動なのだろう。


「お帰り、キョーコ」


おでこにキスされても、ちっとも嬉しくない。

そんな甘い目で、見ないで欲しい。

本当に、恥ずかしいから。


「・・・・もう、恥ずかしくて死んじゃいそうです」

「それは困るな」

「だって・・・・・秘密を見られました」

「うん、ごめんね?」

「・・・・誠意が篭ってません」


じとっと睨みつける瞳もとてもとても愛おしくて、うまくごめんねが伝えられない。

変わりに細い身体をぎゅぅっと抱きしめて・・・・この2時間考えていたことを提案する。


「ねぇ、キョーコ」

「なん、ですか?」

「俺もキョーコの記事たくさん持ってるの知ってる?」

「!!!」


知りうる筈などないだろう、何故なら巧妙に鍵を掛けて隠しているのだから。

そんなコレクションを見るのは自分だけで良かったのだけれど・・・・

今回キョーコの秘密を見つけてしまったから、あえてそれを伝えてみることにした。


「でもね、こんな綺麗にまとめられてないの」

「・・・ほんとですか?」

「もちろん本当」

「ビックリ・・・・」

「うん、それでね。

俺の記事の反対のページに、キョーコの記事を貼ろうと思うんだ」

「え・・・?」


思っていたようにまん丸に見開く瞳は、本当に可愛くて、どうにかしたいと思う気持ちをぐっと押さえ、目尻にキスをする。


「うん、そしたらさ。

二人の軌跡みたいで、面白くない?」

「きせ、き」

「まぁ、年表みたいなものだよ」

「・・・・年表」

「面白そうじゃない?」

「・・・・・」

「何年か経った後で見返しても、二人で頑張ってたことが一目で分かる」


段々と機嫌が浮上してきたキョーコに気をよくして、触れるだけの軽いキスを送る。

ちゅっとキスを送り返してくれるのは、了承の意味・・・?


「なんだか、楽しそうです」

「でしょ」

「はい」

「この2時間ずっと考えてた」

「・・・暇ですね」

「酷いね」


嬉しそうにふふっと笑うのは・・・秘密を、二人で共有し合うから?

合間のキスがとっても甘く感じるから、きっとそうだろう。










さぁ、ご飯を食べて、二人の秘密を作ろう。








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りかさん、この度はありがとうございました!