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「――それじゃあ、行ってきます」

「すみません、せっかく来てくださったのに同窓会で」

「いや、急に来た俺に非がある。気にするな」

ある日の夜、私は自宅で桧山さんに見送ってもらうという不思議な状況の中にいた。

私が今日は休みだと覚えてくれていた桧山さんが、さっき訪ねて来てくれたのだ。

「そんなには遅くならないと思いますので」

「……待ってる」

穏やかな微笑みに、思いのほか胸が高鳴る。

(桧山さんの笑顔って綺麗すぎて困る……)

ついつい照れると、桧山さんがふと思い出したように言葉を続けた。

「ああ……男には気をつけろ。出来ればあまり近付くな」

「え?それって、心配してくれてるってことですか」

「他に何かあるのか」

当然のように肯定されて、嬉しい気持ちとちょっとした気恥ずかしさが入り混じる。

「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ」

「同級生ですし」

「何が大丈夫なんだ?男は男だろう。お前が可愛いことにも変わりない」

「……え?」

「……?だから、可愛いから気をつけろ」

「……」

聞こえなかったと思ったのか、真面目に繰り返される。

一気に顔が熱くなって、私は自分の頭が爆発するんじゃないかと思った。

「……?」

思いっきり赤くなっているであろう私を見て、桧山さんはきょとんと目を丸くしている。

敵うわけがないと、私は心の中で白旗を振ったのだった……

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(*>ω<*)

一度でいいから、こんな心配

されてみたい……(笑)