「シャミー・アイ~死のマリオネット~」-22- | BLACK-SKY

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ひとりごととか、小説だとか。

取るに足らない言葉たちの遊戯会。



――死の、マリオネット……




シャミーは一旦はそう考えたが、すぐに思い直して目を瞑った。渦巻く闇が広がる。

何だかそれが妙に恐ろしくて、シャミーは再度目を開け、三日月の放つ淡い光を浴びるように寝返りを打った。



「……あんなの、手に入る訳、ないじゃん」

シャミーは自分に言い聞かせるように小さく呟いた。

でもその言葉が何だか空しく感じられて、シャミーはもう何が何だか分からなくなってしまった。





――でもやっぱり、そうだとしたら?



新たな疑問が芽生える。

シャミーは結局考えることを放棄し、カーテンを閉め切ると、頭まで毛布を被った。


















……死のマリオネット、とは。



エスパー界に古くから知れ渡る、一種の都市伝説である。



その容姿については諸説ある。

ある者は、それは色白の日本人形だといい、ある者は古びたフランス人形だといい、またある者は、藁人形のようなものだと主張する。

早い話が、誰もそれを見た事がなく、勝手に想像しているだけだということだ。



重要なのは、その用法だ。

その名の通り、「死のマリオネット」なる人形は、ある特定の人物に死をもたらすことの出来る、呪いの人形。

それを手にしたものは、密かに恨んでいる特定の人物を意のままに操り、やがて死に至らしめることが可能なのだとか。



勿論シャミーだって、その話を聞いた時は、そんなはずがないとせせら笑った。

そんな話、幼稚園児だって信じないと。

所詮起こりうるはずなどないと。





しかし、だ。



しかし、それが現実のものだとなると、話は大きく違ってくるのではないか。







毛布の中で、シャミーは先日のことを思い出していた。



先日、登校中に起きた謎の吐き気と眩暈。


今現在、頭に感じているちくちくとした痛み。








もしかすると、これらは全て、エリーゼの仕組んだことなのではないだろうか?









もしかすると、自分は、









命を、










狙われているのでは、ないだろうか?







  






                  ***













カーテンを閉め切った部屋の中、灯りとなるものは、ベッド脇のサイドテーブルに置いた小さなアロマキャンドルだけだった。ファンからの贈り物だ。気持ちは有難かったが、正直この甘ったるい香りは苦手だ。


薄暗い部屋の中で女は、ベッドに腰掛け、揺れるキャンドルの灯りを眺めていた。


その手にしっかりと握り締められているのは、藁人形――いや、「死のマリオネット」なるものだ。





「苦しめ……苦しめ。せいぜい苦しんで死ねばいい」

女は藁人形に鼻が触れるほどに顔を近づけ、虫の鳴くような小さな声で囁いた。




「そうだな……頭痛の次は、何がいいかな? 骨折か? 交通事故か?」

女はさも愉快そうに、狂気染みた笑い声を放つ。





「……まあ、どうでもいいさ。間もなくお前は死ぬんだから」