「シャミー・アイ~死のマリオネット~」-9- | BLACK-SKY

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ひとりごととか、小説だとか。

取るに足らない言葉たちの遊戯会。




ふと目が覚めた。


薄暗い中、窓から射す月明かりを頼りにシャミーは目覚まし時計の針を読んだ。

夜中の、一時半丁度。


――もう一度寝直そう……。


目を瞑る。

心を空っぽにして、眠りの世界へ落ちてゆく準備をする。


しかし、眠れない。



薄暗く空しい世界の中、シャミーは溜め息をつき、静かに瞬きした。

寝返りを打つ。

と、目に、先程母に譲り受けた水晶玉が飛び込んできた。


何故か鼓動が速まる。


シャミーは足音に気を付けつつ、そろりと立ち上がって水晶玉を手に取った。

丸くつるつるとした表面の冷たさが、肌に心地良かった。


――お母さんにはダメだと言われたけど、でも……


ばくばくと心臓が高鳴る音が今にも聞こえてきそうだ。

息詰まるような暗闇の中で、シャミーは決意した。





――こっそり、水晶玉を使ってみよう……





シャミーは忍び足で勉強机まで行き、そっと、電気スタンドの灯りを点けた。







                    ***







同時刻。


少年はシャミー同様眠れなかった。

明日のことを考えると、不思議な緊張が体中を駆け巡り、どうしても眠れないのだ。


――明日、明日だ……明日、あいつはどんな顔をするだろう?


   トマトみたいに髪まで真っ赤? それとも真っ青?気絶も面白いかもしれない……。


少年はカッターナイフを弄びながら考える。


明日自分がする「悪戯」について考える。


何をするかは特に決まっていないが、とにかくあいつが泣き叫ぶようなことをしてやるのだ。




明日だ。


明日には、きっと――







                    ***







シャミーは目を瞑り、精神統一していた。


――どうか、私に嫌がらせをしている犯人を、教えて下さい。


――犯人を教えて下さい。


――教えて下さい……


シャミーは、睫毛の一本一本にまでも、怒りを、思いを、漲らせた。


そして静かに、瞼を開く――





水晶の正面に、紫の煙が渦巻き始めた。


一心に願い続ける。


すると、映ったものは――










「え……」









最初、何かの手違いか、見間違えだろうかと思った。


でも、紛れもなく、そこにはカッターと、カッターを弄ぶ犯人の手が映っていた。


――何これ? もしかして次はカッターを使うつもり?


恐怖がシャミーの胸に押し寄せて来た。




と、徐々に、手首から上が映され始めた。







「……これって……」











薄暗がりの中、瞳に狂気を漲らせてカッターナイフを弄ぶ少年。


シャミーがよく知っている顔だった。


犯人は――































































































サンダー・リシェルだった。