――ある日。ある朝。
――それは、私が、言葉も喋れないくらい小さかった時のこと。
何故そんなに昔のことを覚えているかと言われても、そんなの、私だって分からない。
でも、強いて言えば、私の記憶力が人並み外れていいせいだと思う。
あれは、確か、よく晴れた心地良い秋の日。
私の誕生日だった、と思う。
誕生パーティーが終わり、皆、静かにテレビを観ていた。
私はお母さんの膝の上にちょこんと座り、頭を撫でられるがままにしていた。
お母さんもお父さんも、バラエティ番組に夢中だった。
頭を撫でられるのは好きではあったけれど、私はその時、かなり退屈だった。
お母さんとお父さんの注意が、私でなくテレビに向いていることが不服でたまらなかった。
なので、声を上げて泣いた。
するとお母さんは私を抱ったまま立ち、
「よしよし、シャミー。泣かないで」
と、言った。
私は、人並み外れてIQが高かったから、お母さんの言っている言葉は理解出来た。でも、テレビがまだついていたので、泣き続けた。
見兼ねたのか、お父さんがテレビを消した。
なので私は泣き止んだ。お母さんとお父さんの注意がテレビでなく私に向いたので、私は満足して泣き止んだ。
今度はお父さんが私を抱き上げ、私の顔を見て、微笑む。
私も、何だか嬉しくて、微笑み返す。
すると唐突に、お父さんが話し出した。
「シャミー。お前は、父さんと母さんの血を引いている」
「・・・・・・赤ん坊のシャミーにそんなこと話しても無駄よ」お母さんが言う。
――無駄じゃないよ。私、お父さんの言ってること、分かるから。
そう思ったけれど、喋れないので、言えなかった。
お父さんはなおも続ける。
「シャミー、お前は、予言者である父さんの血と、占い師の母さんの血を受け継ぐ子だ。それに、お前の爺さんは有名な超能力者だ。お前は間違いなく、超能力者――エスパーだ」
――エスパー?…・・・だから私は、お父さんの言ってることが分かるんだね。
「それも、ただのエスパーじゃない。地球に匹敵する程のエネルギーを秘めた子供。それが、お前だ」
地球に匹敵するエネルギーを秘めた子供。
それが私。
それが私、エスパーである、シャミー・ブルータス。
何故そんなに昔のことを覚えているかと言われても、そんなの、私だって分からない。
でも、強いて言えば、私の記憶力が人並み外れていいせいだと思う。
私が、物凄い才能を秘めているからだと思う。