日経平均オプション入門
3,996円
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國宗 利広 著 中央経済社 出版
前回の誤植に続いて、今回は疑問点。
誤植修正後のこの計算式は、年利マイナス10%の連続複利で1か月間運用した場合の運用額として本書では取り上げられているが、前回の記事で紹介したように、利率Rの連続複利でT期間運用した場合の運用額は e のRT乗なので、私の理解が正しければ、この計算式は
と表記されるべきはず。
本書で運用期間の平方根をとっている理由が私にはどうにも理解できず、連続複利に関するサイトをあれこれ調べたところ、どうやら平方根は余分なのではないかとの結論に私は行きついた。
よって、RSSを使ってボラティリティカーブを描画するにあたっての横軸のエクセル関数は
= (365/残存日数) * ln(権利行使価格/同限月の225miniの値)
となると思われる。
以下は 上記関数を導くにあたっての私の覚書。
自然対数 e は、年利100%を連続複利で1年間運用したときの元利合計額。
計算式で表すと (1+1/n)^n の n を無限大に飛ばしたときの数値が e (≒ 2.718)。
この e を使うと、年率 x を連続複利で1年間運用した場合の元利合計を
e^x
と簡単に算出することができる。
たとえば、100万円を年率10%を連続複利で1年間運用した場合の元利合計額は
100万円 * e^0.1= 1,105,171 円 となる。
また、一般に運用期間 L における元利合計は、 (e^x)^L = e^(xL) となる。
以上の一般法則を前提に、原資産の現在価格G 、年率 x の連続複利で、L年間運用した場合における運用元利合計額(すなわち権利行使価格)K との間には、以下の関係が成り立つ。
G * e^(xL) =K
e^(xL) = K/G
e^x = (K/G)^(1/L)
x = ln( (K/G)^(1/L) )
log A^B =B*logA だから
x = (1/L)*ln(K/G)
となる。よって、年換算自然対数を横軸にとった場合のxの値は上記式により算出された値となる。
私は金融工学については素人なので、私の上記理解が間違っているのであれば、コメント欄等へご教示いただけると幸甚です。