時事通信社 より
マツタケの近縁種で、似た香りと味がする「バカマツタケ」の完全人工栽培に肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)が成功した。同社によると、バカマツタケの完全人工栽培は世界初。生産体制が整えば、手軽にマツタケの風味を味わえるようになるかもしれないという。
バカマツタケはブナ科の植物と共生して成長するキノコ。生える時期と場所を間違えたとの意味を込め、名付けられたという説がある。流通量は少なく、店頭に並ぶことはほとんどない。
バカマツタケの完全人工栽培の研究は、大学でキノコの研究をしていた研究員が約6年前から始めた。植物に共生させる方法は成功例があったが、菌床で完全人工栽培に成功したのは初めてで、季節を問わず供給できるメリットがあるという。
多木化学はコストダウンや安定供給の方法をさらに研究し、3年後の事業化を目指す。マツタケ専門の販売業者によると、国産マツタケの価格は時期や産地などで異なるが、1キロ当たり約4万〜5万円。多木化学の担当者は「マツタケより安く提供できるようにしたい」と意気込んでいる。