アウトフィールド好きの父の趣向で、1979(昭54)年には、我が家に水冷エンジンになった、2代目の形式「LJ20」のジムニーがあった。
当時、悪路走破を目的とした四駆車(4WD)は、本家のJeep以外はなかったので、国産の軽自動車規格で価格もお手頃な「Jimny」はオフロード車としては画期的な(?)一台だった。後年、本家直属の「MITSUBISI/WILLIS Jeep(CJ-3B)」に手を出す事になるのだが、その話は別の機会に譲る。
ジムニーとして2代目となる「LJ20」は、水冷になったとは言え所詮は「360cc」、非力+ローギヤードで、一般路上では酷く運転し難かった。しかし、一旦悪路、例えばキャンプ場において降雨に祟られ、泥状の路面となると、自衛隊の重量級の四駆・六駆車を尻目に、ミズスマシの様に路面を駆けずり回っていた事を鮮明に覚えている。それもこれも車重の軽さがメリットとして働いていた様に思う。
表題からずれるが、SUBARU 「LEHONE 1600 4WD」なる車も、かつて我が家にあった。
リアアクスルは確か日産(ブルーバード?)からの流用。4灯式ヘッドライトをMarchalでしつらえ、勢い余ってSpotとFogもMarchalにしてフロント・グリルに押し込めたのは若気の至りである。
4WDを選ぶと当時の事とてセンターデフがないので、前後輪差を吸収しきれず、シフトレバーが跳ね返される有様であった。唯一のメリットは初めてのエアコン付き車で、夏には重宝した。もう悪路も何も関係が無いお話し。そのSUBARUもいつの間にかTOYOTAと仲良しになって「BRZ/86」が生まれたとなると、もうこれは隔世の感するある。
さらに表題からずれて、4WDと言う括りで話すなら、初代「RAV-4」の3-doorもあったぞ。
2,000ccでAT、独立懸架で乗り心地も良かった。4WDと言う呼び方もいつの間にかAWDと言う呼び方に変わっていたが、その呼び名にふさわしい物があった。
その印象を引きずりながら、その頃(2019)の日常のアシであった「2014 Jaguar XF」を手放し、後継に選んだのが「2005 SUZUKI Jimny (MT) JB23」の中古であった。
車検証など、残っていた資料から推察すると以下の通りである。
2005(平17)年2月、初年度登録
2015(平27)年9月、購入(Jaguarと2台持ちだったか?)、既に10年落ち。でも百諭吉位。
2016(平28)年7月、車検。走行距離=53,200km
2018(平30)年7月、車検。走行距離=65,300km
2021(令3)年12月、走行距離=80,317Kkm、まだ一五諭吉位の価値があるみたい。
アシ車としてのジムニーのメリットは、着座位置が高いので乗り降りが楽。横開きのリアゲートは買い物を乗せるのが楽、と言った程度。肝心の悪路走破機能に関しては、真冬に越前海岸まで「蟹」」を食べに行った事があるのでOKとしておこう。(画像はスノータイヤを履いた所)
ちなみに通常は「2WD」オンリーで、「4WD」も「4WD-LOW」も選択した記憶が無い。
しかしダラダラと乗り続ける内にさすがに嫌気がさしてきた。
ターボ付きで大層なエアーインテークバルジがあるのだが、ターボパワーを実感した事は一度も無く、エンジンは回転を増しても苦しげで吹き上がろうとしない。5速のシフトフィーリングはぐにゃぐにゃで、良く調整されたLOTUS EUROPAより遙かに劣り、BMC製の5速ミッションを載せたLOTUS ELAN +2S 130/5よりややマシな程度(つまり自分の車歴でworst 2)。ステアリングもいただけない。悪路走行のキックバックを恐れたのか、ラック&ピニオンではない、ボール・ナット式か?センターが曖昧な事、往時のTOYOTA車に負けずとも劣らない。パワステ付けて軽けりゃ良いってモンじゃない。シャーシーは往年のJeepに敬意(?)を表して伝統的にラダーフレームで前も後ろもリジッド・アクスル。リーフスプリングがコイルに変わったのがせめてもの進化か?購入時に付いてきたオフロード用のYOKOHAMA GEOLANDERは更に状況を悪化させた。はっきり言って99%オンロードの走行が前提なので、BRIDGESTONEのオンロードタイヤ(ブランド忘れた)に交換後は、ふにゃふにゃになりつつも乗り心地は大幅に改善された。
なんだかなー、と思いつつダラダラと乗り続け、2018年に「JB64」が発表されると少なからず心が動いた。現にSUZUKIのディーラーに赴いてカタログまでもらってきた。風の噂に「納車1年待ち」と聞いて人気の高さに驚かされた。1,500ccNAエンジン+ATの「シエラ」も良いかなとさえ思ってしまった。
しかし、しかしである。相手は所詮Jimny。あくまでも悪路走行を前提としたクルマ。歳と共に少し呆けたアタマで考えても、今より劇的に物事が解決するとは到底思えない。折しも、化石燃料車は消滅のご時世。ハイブリッド車(LEXUS RC)の恩恵(航続距離の長い事!)は熟知している。ならば免許返納前に乗っておくべきクルマがあるのではないか?そう思うに至ってJimnyとお別れをする決断をしたのでありました。