連絡帳ではありませんが、ぜひご紹介したいものを。

 

「自己紹介の紙」です。

これはサポートブックとはちがいます。

A4の紙、一枚です。

新学期が始まってすぐに、先生に読んでもらうために作っていました。

 

それは、海津さんの本にこのようにあったからです。

 

==========================

 

新学期になると、わが子に、より丁寧にかかわってもらい、

学校生活が新しくなるようサポートをしてもらうために、

自分の子どもの性格のよいところ、どういった配慮・支援をしてもらうといいのか、

担任へアピール。(子どもの一人ひとりのちがいを、あらかじめ知ってもらう)

 

 

 

(アメリカでは、障がいのあるなしに関わらず、保護者は)
新学期になると、子のよいところ、どういった配慮・支援をしてもらえるといいのかと、

担任にアピールしていた。

 

障がいがあってもなくても、子どもは一人一人違います。

 

先生がその違いを出会いの当初からわかって、

苦手なことに配慮や支援をしてくれたら、

子どもにとってより居心地のよいものになります。

逆に先生が子どものことを、よく知らずに、

子ども自身の努力や頑張りだけでは、どうにもならないことなのに、

子どもを始終注意したり、怒ってしまうことがあります。

周囲の子どもはそうした先生の対応をみて、

その子を「迷惑な子ども」としていじめるようになったり、

「先生に迷惑をかける『困った友達』をどうにかしなくては・・・」と

先生に一緒になって注意しつづけるということもしばしば起こります。

 

わがままや、やる気の問題とは違うことを伝えるには、

「障がい」という言葉を使わなければ伝えることはむずかしく、

結果として適切な支援が子どもには孤立することが多くなり、

学校生活がとても味気ないものになってしまいます。

「学校へ行きたくない」などという事態が発生することもあります。

そうしたことを、アメリカの親は熟知しているのかもしれません。


 

===================

(引用おわり)

 

 

新年度になると必ず作るものがありました。

あーくんの自己紹介の紙です。

 


『発達に遅れのある子の就学相談』の

海津敦子さんのお子さんのサポートブックを参考に

小学校入学の時から作っていました。

 



気をつけた点は


・紙で渡す(先生は忙しいからいつでも見れるよう)
・A4の紙一枚
・カラー、写真入り
・手書き
・イラスト入り
・◯◯が出来ません、で終わらせるのではなく、
 「こうしてもらえれば出来る」、
 「今練習中です」という書き方
・読んで楽しいもの


読んでもらって、あーくんに興味を持ってもらうのが狙いです。
始業式始まって担任の先生がわかったらすぐにお渡ししてました。

 



配布するのは
・校長先生(副校長先生)
・教頭先生
・教務主任の先生
・クラス担任(支援学級・交流学級)
・保健室の先生

と海津さんが書かれていたので、その通りにしました。


 

 

書く項目は

 

・家族(それぞれの好きなもの。私ならミュージカル)

・本人の好きなもの(遊びやキャラクターテレビ番組など)

・得意なもの

・苦手なもの

・性格

・くせ

・人との関わり

 

 

 

(例)小学校に入学する時に書いたもの

↓小学校入学の時に作ったもの。(お兄ちゃんも一緒♪)

なまえ

 

好きなあそび

体を動かす遊び・プラレール

 

好きなもの(キャラクター) 

電車(名前をおぼえる)

お笑い番組(今はエドはるみさんが好き)←!!今見ると新鮮

スーパーマリオのキャラクター

 

苦手なもの 

泣いている人・犬

→両耳をふさぎます

 

急に強い口調で話かけられる

→おどろいて泣き出したり、

 おびえて落ち着かなくなってしまいます

 

性格 

明るい・マイペース

 

くせ 

人の耳を触る(好きな人にします)うなずく

 

人との関わり

自閉性の障がいがありますが、人が好きなようです。

 

「ダメ」は理解できないので、

・走っちゃダメ→歩いて

・のぼっちゃだめ→おりて

と伝えてください。

 

3回聞きかえされると、わかっていても自信をなくして「わからない」と言います。

言われたことがわからないと、オウム返しをしたりしますので、

言いかえてもらうと、わかることがあります。

 

 

 

 

 

 

また、小2からは「前の学年でできるようになったこと」を追加しました。
ガチガチな感じではなく、

ゆる〜っとしたかんじのことを。
ある年は、
「一人で学校に行けるようになりお兄ちゃんのありがたさを感じた」と書きました。


そういえば、お兄ちゃんが小学校一年生の頃。
三学期最後にクラスで「できるようになったこと」発表会がありました。
その発表会をヒントに「前の学年でできるようになったこと」を

自己紹介の紙の項目に付け加えたのでした。


ちなみに、高校入学前に書いたのには、

「中学校で出来るようになったこと」

中学校の先生にインタビューしたのです。

 

 

「中学校で出来るようになったこと」

(わたし)

・学級委員の仕事

・体育の忘れ物をしないようにがんばった

・自分から大きな声で挨拶する
・宿題をがんばった

 

(中学校の先生から)

・報告ができるようになった

・行事等で積極的に楽しんだ

・急な変更も柔軟に対応できるようになった


 

新しい環境になる時、

前の環境でお世話になった先生の意見を

積極的に次の先生にお伝えすることをしていました。

「うちの子はこうです」という親の考えだけでは、

思い込みと思われてしまうこともあるので、

客観的第三者の意見を参考にしてもらおうと思っていました。

(これも海津さんの本に書かれたあったことです)




「これが出来ません、苦手です」という文は書きません。

苦手なら、じゃあどうしたらいいのか、そこまで書きます。
もし私が先生の立場だったら、

「じゃあ、どういったお手伝いができるかな?

お母さんは何を望んでいるんだろう?」と思うからです。




また、本やパンフレットから、

あーくんに関係がありそうで、なおかつ「こうして欲しい」と

前向きなことが書かれている文や絵をえらび、切り貼りして作った

個人的パンフレットのようなものも作りました。
モットーは「シンプル!」


先生方は学校で障害についてお勉強されているでしょうが、

実際接してみてわかることわからないことなどあると思います。
より早く先生にあーくんを理解してもらいたいので、

「自閉症とは?こういう支援をしてください!」
と、具体的にお伝えすることが大切です。
大事なことは、何回も♪です

(コーチングで学んだこと)





高校でお渡しする人は
・学年主任の先生(クラスを持っていない)
・スクールカウンセラーの先生
も追加しました。

 

 

高校へ入ると、保護者が学校へ行く機会が激減します。
(あーくんの学校は連絡帳もありませんでした)

入学者説明会の時に、そのへんにいらっしゃった先生にお渡ししました。
あーくんの高校の先生方は、そういった点が素晴らしく、

すぐに回覧してもらったようでした。(感謝です!!)






高校生になって、高校生専門の放課後等デイサービスにも行きはじめました。

就労に向けての色々な経験をさせてもらえる施設でした。

(残念ながら、今その施設はありません・・・「自分で通う」ところから就労の練習に

なるのですが、最近の傾向として、放デイは送迎が当たり前になっているため、

保護者から敬遠されたのか利用者が減り、閉所となったようです。残念です)

 


通い始める前の面談に、あーくんと二人で行きました。
理事長面談という事でしたので、この自己紹介の紙を持って行ったら、
「まあ、これはお母さんが作られたの?」(理事長)と聞かれたので、ええ、と答えると
「この人の毎年恒例の趣味です( ̄▽ ̄;)」とあーくんがすかさず言いました。
「えーそんな思っとったとー?!」(わたし)
「ハハハ、君から見たらそう見えるかもしれんけど、

このありがたさがわかったら、大人になったってことだよー」(施設のスタッフ)
と言ってもらい、
「ここは大人になるところだからねえ。楽しみだね」(施設のスタッフ)と言われ、

もう、すっごく感激しました。



毎年、担任の先生がかわったので、

(変化が苦手な自閉症なのに~と、私はちょっと不満?!に思いつつ)

変化の練習になる、と思いなおし、

新しく関わることで、あーくんのことを知ってもらえる人が増えるのだから、

と思い作って来ましたが、

すっごく嬉しいフィードバックをもらえて感謝するとともに、

今までの私に、ありがとー!と言いました。

 

 

毎年溜まってくるので
ちょっとした歴史を感じていいですよ〜

日記と違って、年一回の作成、ですからね♫

(そこまで負担がないし、一年を振り返り成長を感じることもできます)




自分でも、この自己紹介の紙を改めて見ていると、

「この人、この子が好きなんだな~」と伝わります。

ポイントは、きっとそこなのかも?!

我が子への愛です(*^▽^*)



(そういえば、就労移行支援事業所にも持っていきましたね。

さすがに、就職先には渡していません。

就労移行の方がちゃんと伝えてくださるからです)