幸運の道尋ね 4(終) | 適当に夢歩き

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夜道で人形のような子供に道を尋ねられた。
目的の場所がうちの近所だと教えると
案内は必要ないようで、髪の毛を一本渡して闇に去っていった。
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不思議な気持ちのまま予定通りコンビニへ行き、
普通にカップ型のアイスとちょっとしたものを買って帰った。
ちゃんと五十嵐さんの家がわかったのか気になったが
帰りに出会うこともなかったのできっと大丈夫だったのだろう。

なんだかアイスを食べたいという気分は薄れてしまったが
せっかくなので食べ始めたところ、アイスの蓋の裏に
携帯電話を使ってクジが引けるキャンペーンを見つけた。
さっそく挑戦してみるとなんと一発で当たりが出た。
当たったのはそのアイスとタイアップしていたキャラクターの
ストラップだった。偶然かもしれないが、
やっぱりあの子供は幸運を呼ぶものだったのかなと思った。
気づいたらポケットの髪の毛はいつのまにかなくなっていた。

その後五十嵐さんの家では車が新車に変わった。
あの髪の毛一本のおかげかどうかはわからないが
それでストラップが当たったのだとしたら
あの子が家に行った場合、車くらいは当たるかもと思った。
「そなたにはまだ必要ない」とか言われたが、
そんなこと言わず、今度はうちに来てもらいたいものだ。

だが車は何かで当たったわけではなかったらしい。
毎年行われる町のお祭りでたまたま五十嵐さんに会い、
世間話の中で車の話題を振ったところ、
前のが大分古かったので普通にローンで買い換えたらしい。
ということはあの子はあれから五十嵐さんの家には行けず、
迷子になってしまったのだろうか?
「変なことを聞くけれど」という前置きをして、何か家でいいことや
変わったことはないか聞いてみたところ、
五十嵐さんは驚きつつ、実は子供ができたことを教えてくれた。
まだ誰にも言っていなかったのでなぜわかったのか聞かれたが
夜中に出会った人形のような子供のことは話さず、
なんとなくごまかしておいた。
そのときに五十嵐さんはこんなことも言っていた。

「もう一つ変わったことといえば、
夜中に何か廊下を駆ける音がたまにするんだよね。鼠かな・・・。」

それから数ヵ月後、子供が生まれた五十嵐さんの家族が
車で出かけるところを見かけた。
これ以上ない幸せそうな笑顔でお辞儀をされた。
あの人形のような子供はまだ五十嵐さんの家にいるのだろうか。
それともまたほかの家に移ったのか。
移るときはまた道に迷ってないといいが。


だぶん終わり