まだ | ひより軒・恋愛茶漬け

まだ

幼すぎると

あなたは

わたしの肩に

上着をかける。


ふわり

包まれる

あたたかい匂い。


男の人のジャケットの

粗い布目で

わたしの未熟な肌は

こすられ


赤くなる。


中途半端な痛みが

くるしい。


 帰れ。


あなたは

本気でおこっていて

わたしは ただ

正座のまま うなだれる。


いやいやと

左右に首を振って。


ああ、こんなことをしても

ますます開く。

子どもっぽいわたしと

あなたとの距離。


あなたは

わたしの二の腕をつかんで

かわいた床に

立たせようとするけど


わたしは

その手を振り払って

上着が肩から

落ちるのに任せ


ただひとつの

体だけになって

あなたの胸に滑り込む。


だって

さっきから

ずっと見てた。


開いたシャツの奥の

その肌に触れたくて。


ごめんなさい。

はしたなくて。


つきとばされたり

抱きしめられたりするまで

聞く。


押し付けた耳に

響く鼓動。


あなたの答え。







夏が好きなので

暑くなっていく日々が嬉しいです。


友人にもらった新しい自転車で

街を走りまわっています。