授業中ずっと泣き続けたゆう。

友達はとても心配してくれた。


友:ヒロ君っていつもあんな感じ?

  はじめて見たからビックリしたよ。。。

ゆ:ごめんね、驚かせて。

友:ねえ、大丈夫なの?

ゆ:うん。殴られるかと思ったけどね。

友:殴る事はあるの?

ゆ:ううん。ないよ!暴力はありえないよね。

友:あまり無理しないでね。

ゆ:うん。本当にありがとう。。


休み時間にヒロが来ると思ったけど、来なかった。

帰ったのかな~。。。


でも放課後。

ヒロがニヤニヤしながらゆうの元へ来た。


ヒ:帰らなかったんだ。

ゆ:帰るなって言ったのはヒロ君でしょ?

ヒ:これ、ゆうちゃんの自転車の鍵。

ゆ:ずっと持ってたの?

ヒ:帰れないようにしたかった。

ゆ:靴。。。。返してよ。

ヒ:あ。。バレた?

ゆ:バカだね、ホントに!


不思議。あんなにムカついてたのにもう笑いあってる。

ヒロの笑顔には不思議な力がある。

いや、ヒロが笑っている時は怒られなくて済む。

そう感じていたのかも。


ゆ:あ!手どうした?

ヒ:なに?

ゆ:拳、血が出てたでしょ?

ヒ:あ。。これ?


見てみると更に何度か殴ったような痕があった。


ゆ:どうしてそういうことするの?

ヒ:分からない。

ゆ:自分を傷つけるような事しないでよ!

ヒ:ゆうちゃん。。まだ俺の事好き?

ゆ:嫌いなんて言ってないでしょ?

ヒ:良かった~~~~!!


ヒロ。

自分の思い通りに物事が進まないと、自分のカラダを傷つける。

わざとそんな自分を見せ付けてゆうを支配したかったのかな。

ただ感情が爆発すると殴らずにはいられなくなるのか。。


ヒロに傷をつけないよにゆうが気をつけなきゃ。

そう思った。

ヒロの事は自分しか理解してあげられない。

そんな勘違いをしていたのかも知れない。


そんなゆうの事を友達は優しく見守ってくれていた。

見放さないでいてくれた。

でもヒロとゆうのやりとりを見て、『あいつらバカ?』なんて

言ってくる子達も増えた。


噂はあっという間に広まるし、ゆう達は目立つ存在になっていた。


目障り。。。

そんな風に思っていた子もたくさんいたんだろうな。。


悲しかった。


でも、ヒロとこれからも付き合っていく。

その気持ちは変わらなかった。