車の中で、長期間生活することは可能かどうか考えてみましょう。本記事で指す車中での生活とは、車を家代わりにする長期の生活を意味します。車中で生活する場合の生活費や車の維持費などについて解説します。

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車の中で長期間生活するには
ここでは、キャンピングカーのような、設備の整った車以外で生活することを前提とします。
 
車の中で生活するために新車を購入する場合は、購入代金がかかります。新車は100万円台からありますが、ここでは300万円程度の大型の車を購入すると仮定します。

車を停める場所は、原則として自分が所有する土地以外は不可能と考えましょう。自分の土地なら法的な問題はありませんが、他人の土地に無断で停めたら不法侵入になります。
 
かといって、有料駐車場では、仮眠を取るくらいしかできません。高速道路のサービスエリアの駐車場も、朝まで寝るくらいなら許してもらえますが、それ以上は無理と考えたほうがよさそうです。

自分が所有する土地であっても、長期間車の中で生活すると、近隣から苦情が来たり、不審者扱いされ通報されたりするおそれがあります。

また、車内での長期間の生活は、エコノミークラス症候群で死亡するリスクが高くなるため、現実的に難しいです。車内で長期間生活するには、以下のような諸費用がかかります。

●新車購入費 = 300万円
 
●食費
2200円 × 30日 = 月6万6000円以上
 
●銭湯代
520円 × 15日 = 月7800円
 
●ヘアカット代
4500円 × 1回 = 月4500円
 
●洗濯代
500円(洗濯と乾燥)×月10回 = 月5000円

それぞれ、詳しく見てみましょう。
 
■食費
車の中で生活する場合、食事は原則として外食かコンビニ弁当になります。自分の所有する土地に車を停めているので、キャンプ用の自炊用具を持ち込むことで自炊も可能です。
 
しかし、たとえ自分の土地であっても、屋外で火を使うと近隣から苦情が来たり、通報されたりするおそれもあるため、自炊は難しいでしょう。1日の食費は、おおよそ以下のようになります。

●朝食代 300円(コンビニのサンドイッチなど)
●昼食代 700円~1000円(コンビニ弁当あるいは外食)
●夕食代 700円~1500円(コンビニ弁当あるいは外食)

また、お茶やコーヒーなどの飲み物や、人によってはタバコ、酒などの費用もかかります。仮に、飲み物代が1日500円かかるとすると、1日の食費は最低でも2200円必要です。
 
2200円 × 30日 = 6万6000円
 
車の中で生活した場合、食費代は月に6万6000円かかるのです。
 
■銭湯代
車での生活だと、風呂は銭湯に行くことになります。銭湯料金は東京都の場合、大人1人約520円かかるでしょう。
 
1日おきに銭湯に行くなら、月に以下のお金が必要です。
 
520円 × 15日 = 7800円
 
車内で生活していても、月に一度くらいは髪をカットします。男性の場合、カットやシャンプーを含めたフルコースで、1回当たり4500円程度かかります。
 
4500円 × 1回 = 4500円
 
また、車内での生活では、洗濯はコインランドリーを使うことになります。3日に一度コインランドリーで洗濯する場合、10㎏以内の洗濯物を洗うのに約400円、乾燥機を使うと12分で約100円かかります。
 
500円(洗濯と乾燥)×10回 = 5000円