意を決したママが、ジャックに本当の“世界”の話をします。5歳になるまで、“世界”は“へや”だけだとジャックに嘘をついていたというママ。

そして、ママの名前はジョイといい、バァバとジィジと一緒に暮らしていたけれど17歳の時オールドニックに誘拐されて以来、この“へや”(納屋)に閉じ込められていることも。今までの世界が壊れ、そんな話は信じないと怒鳴るジャック。けれど、ラジコンを壊すほどに悩んだ末に、ママを助けることにします。ママが考えた作戦は、電気が止まった為、風邪を引いたとジャックを病人にしたてあげ、オールドニックを騙してジャックを病院に連れて行かせ、助けを呼ぶ方法でした。けれど、病院には連れて行ってもらえずにオールドニックは立ち去ってしまいます。ママは次の作戦を必死で考え、モンテクリスト伯の話からヒントを得てジャックに死体のフリをさせて“へや”を抜け出させようとします。狙い通り、オールドニックにジャックを外に連れ出させることに成功します。そして、通行人の助けもありジャックはオールドニックから逃れることに成功し、警察官に保護されます。警察官にママのことをきかれてもジャックはうまく答えられません。けれど、“へや”のことをきいた警察官がジャックのこぼす言葉からヒントをつかみ、オールドニックの家を探し出してくれます。ジャックがパトカーの中で待っていると、遂にママが現れ、二人は再会します。

次の日、病院のベッドでジャックは目を覚まします。“世界”の眩しさやはじめての感触に戸惑いますが、ママがオールドニックはもうおらず好きな時になんでもできると説明してくれます。ママの希望でバァバの家に帰りますが、事件は大きく報道され、家の周囲は大騒動になっています。また、バァバとジィジは離れて暮らしており、バァバはパートナーのレオと一緒に暮らしています。バァバがジャックの髪の毛を切りたいといいますが、髪の毛にはパワーがあるから、とジャックは断ります。その夜、皆で夕食を囲みますが、ジィジはジャックを直視することができず、そのまま家に帰ってしまいます。家の周りには相変わらずマスコミが溢れています。そして、ジャックが世界を知っていく一方、ママがベッドに臥せることが多くなります。精神的に不安定になっているママがテレビの取材を受けますが、ジャックの父親のことやジャックを自由にする方法があったのでは、という質問を受け更に苦悩します。そして、その夜、ママは自殺を試みてしまいます。

病院にいるママに髪の毛をおくってパワーをあげたいとジャックがいい、バァバに髪の毛を切ってもらいます。近所の友達と遊んでいると、ママが帰ってきます。ジャックの髪の毛に救われたというママと語り合い、親子の絆を確かめ合います。“へや”がみたいというジャックの願いをきき、事件現場である“へや”にジャックとママが戻ってきます。ジャックは部屋を見ていいます。「ドアが開いていると“へや”じゃない。けれど、ドアを占めたいわけじゃない」。そして、監禁されていた時、おはよう、と声をかけていた植木や椅子やクローゼットに、さようなら、と告げ、ママとジャックは“へや”を後にしたのです。