宮崎駿が初めて監督した映画作品

クラリスとの別れ

「行ってしまうの?」

「コワイ オジサンがいっぱい来たからね」

「私も連れてって。泥棒はまだできないけど、きっと覚えます。

 アタシ、アタシ・・・お願い、一緒に行きたい!」

「クラリス・・ 
 馬鹿なこと言うんじゃないよ。
 また闇ん中へ戻りたいのかぁ?
 やっとお日様の下に出られたんじゃないか
 おまえさんの人生はこれから始まるんだぜ
 俺のようにうす汚れちゃいけないんだよ」

追いかけてくる銭形警部に、クラリスの元を さっと逃げるルパン。

クラリスが名残惜しいように見送ると

銭形が言う
  「くそっ 遅かったか!ルパンめ まんまと盗みおって」

  「いいえ あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったのです」

  「いや 奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
        
  「はい」

そして埼玉県警と書かれたパトカーに乗って
「ルパン、待て~」と銭形が去ってゆく。

クラリス  「皆様、ご無事で戻ってくださいね」

五エ門  「可憐だ」