北野作品「Dolls 」のストーリーの主軸は、

結婚を約束した男(西島秀俊)にフられて、

白痴状態になった女性(菅野美穂)に対して、

責任を感じて1本の赤いひもで、お互いを繋ぎ、最期に心中する。
$恋愛映画を話そうよ
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西島は菅野と寄り添っていれば、いつか正気に戻ると信じていた。

まるでフェフェ(フェリーニ)の映画「道」の反省編のようで、

とてもせつない。

号泣して見続けることのできない映画「道」では、

狂ったジェルソーミナをザンパーノは道端に捨て去ってしまう。

そして一生、そのことを後悔してしまうのだ。

「Dolls 」映画の進行も「あの夏、いちばん静かな海。」と同じ、

ほとんどセリフなしのサイレント、

北野ブルーと言われた単色ではなくて、日本の四季の色にこだわる。

二人は結婚を約束した思い出の場所に到着する。

菅野はその時に、もらったペンダントを西島に見せる。

正気が戻ったように思ったが・・・

北野監督が言う。

「これまで一番、最も暴力的な映画である」

「これはすごく個人的な映画だから。当たるとかいう問題じゃなかったね。
喜んで絵を描いてるみたいなもんだよ。
そういうときべつに評価とか一切関係ないから、下手すりゃ人が見なくたっていいわけで。
自分で撮って、しまっちゃうような映画でもあんのよ、ほんとは」

「引っかかってたからね、こういう映画をね。一回はやりたいって」

「つながり乞食」は、北野が幼い頃実際に何度も目撃した夫婦が元となっているという。