深瀬 廉のブログ

深瀬 廉のブログ

説明内容考え中。

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2. Es treibt mich hin, es treibt mich her!

Es treibt mich hin, es treibt mich her!

Nach wenigen Stunden dann soll ich sie schauen,

Sie selber die schönste der schönen Jungfrauen;

Du armes Herz, was pochst du schwer?

 

Die Stunden sind aber ein faules Volk!

Schleppen sich behaglich träge,

Schleichen gähnend ihre Wege;

Tummle dich, du faules Volk!

 

Tobende Eile mich treibend erfaßt!

Aber wohl niemals liebten die Horen;-

Heimlich im grausamen Bunde verschworen,

Spotten sie tückisch der Liebenden Hast.

>Heinrich Heine<

 

 

 

2. いても立ってもいられない!

いても立ってもいられない!

あの子に会うまで あと数時間

あの子 世界一の美少女に…

あわれ 落ち着かない鼓動!

 

怠けてばかり 時間ども!

時を進めるのも かったるそうに

あくびしながら のんびりノロノロ

急いでくれよ 怠け者ども!

 

あせらされて 狂っちまう!

恋を知らない 時間の神々め

あいつら こっそり悪だくみして

恋するボクのあせりを あざけってやがる!

 

歌曲集「リーダークライス Op.24」 作曲:ロベルト・シューマン(1810-1856)

1. Morgens steh ich auf und frage

2. Es treibt mich hin, es treibt mich her!

3. Ich wandelte unter den Bäumen

4. Lieb' Liebchen, leg's Händchen

5. Schöne Wiege meiner Leiden

6. Warte, warte, wilder Schiffmann

7. Berg' und Burgen schau'n herunter

8. Anfangs wollt' ich fast verzagen

9. Mit Myrten und Rosen




「リーダークライス」

なんて、少々とっつきにくいタイトルがつけられているが、

内容はとてもシンプルだ。



「失恋青年物語」とでも言えばよかろうか。



主人公の名前がないのもモヤモヤするので、

周介とでもしよう。

「周介失恋物語」だ。




周介が朝考えることといえば、一つ。

「今日はあの子来るかな?」


そこで、あの子をまちぶせる…

…来ない。


そんなことが毎日続いて、

夜は眠れないし、日中もボンヤリする。

《1曲目》


ああ、いよいよあの子に会える!

会える!!


この喜びに周介はもだえる、

が…なんと時間の進みの遅いこと!!

イライラするなあ!

《2曲目》


周介は散歩に出かける。

木がそよぎ、川は流れ、鳥も…

いや、鳥が何か言ってるぞ。


…あの子の口癖の言葉だ。

おい鳥たち、やめろって!

今はそれ、聞きたくないんだ…。

《3曲目》


おれの胸ドキドキしてるだろ?

君のことを考えるだけでいつもこれさ。

ドキドキしすぎて眠れやしない。


いつ眠れるかって?

ドキドキが終わる時、つまり

恋が終わる時さ。

《4曲目》


周介は街を去る。

あの子と恋に落ちた街。

あの子にひどい仕打ちを受けた街。

もうここにはいられない。

だって全部思い出してしまうから、

恋の苦しみも、喜びも。

《5曲目》


おっと、街を去る前にお別れしなきゃ。

船頭さん、ちょっと待ってておくれよ。


おや、なんで今日は

おれに会うのを怖がってるのさ?


いつものことだろ?

おれが君にされた仕打ちに苦しんでいるのなんてさ!

そうだよ、

全部君が招いたことさ!!

《6曲目》


そして周介は船に乗り、ライン川を進んでいく。

川は戯れながら、心地よく船を運ぶ。


だが周介は知っている。

川の底は深くて真っ暗で、

まるであの子みたいに残酷であることを。

《7曲目》


そう、周介は全部耐えきったのだ。

恋の苦しみも、残忍さも。

ただどうやって耐えたかは聞かないでくれ、

思い出してしまうから。

《8曲目》


あの時のラブソングは、もう葬り去ってしまおう。

でも、あの子に抱いたこの気持ちだけは

死ぬまで忘れられないだろうなあ。


このラブソングだって、

もしあの時の気持ちが強く湧き上がってきたら

また歌いたくなっちゃうよな。


もしそうなったら、

もうあの子には会えないけど

この歌だけはきっと、ずっと歌い続けるんだ。

あの子のために。

《9曲目》




とまあ、こんな具合の物語です。

結構稚拙な文になってしまったがご容赦を。

もっと文章力を磨かなければと痛感。


少しでもリーダークライスが身近なものになればいいな、

という願いを込めて。




深瀬廉

1. Morgens steh ich auf und frage

Morgens steh ich auf und frage:

Kommt feins Liebchen heut?

Abends sink’ ich hin und klage:

Ausblieb sie auch heut.

 

In der Nacht mit meinem Kummer

Lieg ich schlaflos, wach;

Träumend, wie im halben Schlummer,

Wandle ich bei Tag.

>Heineich Heine<

 

 

 

1. 毎朝 起きると思うんだ

毎朝 起きると思うんだ

「あのかわいい子 今日は来るかな?」

毎夜 ベットで嘆くんだ

「あの子 今日も来なかったな」

 

夜中 悩めるボクは

眠れず 目は冴えたまま

昼間 うとうと

ぶらぶら 歩くボク

 

歌曲集「リーダークライス Op.24」 作曲:ロベルト・シューマン(1810-1856)

1. Morgens steh ich auf und frage

2. Es treibt mich hin, es treibt mich her!

3. Ich wandelte unter den Bäumen

4. Lieb' Liebchen, leg's Händchen

5. Schöne Wiege meiner Leiden

6. Warte, warte, wilder Schiffmann

7. Berg' und Burgen schau'n herunter

8. Anfangs wollt' ich fast verzagen

9. Mit Myrten und Rosen

 

 

 

ああ、リーダークライス!!

なんたるや!!

 

この歌曲集「リーダークライス Op.24」は、

私がドイツ歌曲を歌い始めたきっかけとなった作品なんです。

 

私が東京藝術大学に入学したのが

2007年春のこと。

何を練習したらいいのか、右も左も分からなかったので、

先生から勧められたイタリア歌曲を練習する日々を送っていました。

 

そんな中、周りでちらほら

ドイツ歌曲やフランス歌曲を歌い出す人が現れてきます。

基礎的なイタリア歌曲を歌っている私のような者は、

憧れを抱かざるを得ません。

(誤解のないよう記載しますが、イタリア歌曲ももちろん美しく、また難易度も高いです)

 

そこで深瀬廉は、

ドイツ歌曲とは何かを知ろうとします。

そもそも何にも知らなかったのです、

恥ずかしながら。

 

手に取ったのは一枚のCD。

テノールのIan Bostridgeによる、

詩人の恋やリーダークライスOp.24などが収録されているCDです。

このCDが運命を変えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、最初に聞いた時の音よ。

 

 

 

 

 

言葉にできない感銘を受けました。

声の美しさだけではない世界がそこにあり、

私はここに行きたい、と思いました。

 

当時持っていたのはiPodでした。(懐かしい!)

CDのデータを中に入れて、

登下校時に聞いていました。

何回も、何十回も、何百回も。

 

リーダークライスが終わり、

次のトラックに行きそうになった時は

自転車を止めてもう一度頭から、という風に。

 

そして、ドイツ歌曲を勉強し始めました。

といっても、シューマンではなく

Zelterなど、ベートーヴェンよりも昔の作曲家の作品から。

 

いやあ、やっぱりこの作品のこととなると筆が進んでしまってしょうがないです。

文が支離滅裂な部分はごめんあそばせ。

 

 

 

深瀬廉

4. Der Mond kommt still gegangen

Der Mond kommt still gegangen

Mit seinem gold'nen Schein,

Da schläft in holdem Prangen 

Die müde Erde ein.

 

Und auf den Lüften schwanken

Aus manchem treuen Sinn

Viel tausend Liebesgedanken

Über die Schläfer hin.

 

Und drunten im Tale, da funkeln

Die Fenster von Liebchens Haus;

Ich aber blicke im Dunkeln

Still in die Welt hinaus.

>Emanuel Geibel<

 

 

4. しずかに 月はのぼる

しずかに 月はのぼる

金の光

やわらかな輝きに

眠る つかれた大地

 

風にのり ただよう

何千もの愛

まことの心から ふり注ぐ

眠る人々の上へ

 

谷底に見える

愛する人の 家のひかり

だがボクは 闇の中

じっと世界を見つめる

 

【6つの歌曲 Op.13 作曲:クララ・シューマン】

1. Ich stand in dunklen Träumen

2. Sie liebten sich beide

3. Liebeszauber

4. Der Mond kommt still gegangen

5. Ich hab' in deinem Auge

6. Die stille Lotosblume

 

 

 

クララ・シューマン生誕200周年。

4回目。

(過去の記事は→こちら

 

今日は、歌曲「集」を演奏する意味とは?というお話。

 

当たり前のように「歌曲集」という言葉を連発している私。

でもそもそも歌曲集って何さ。

 

額面通りとらえると、「歌曲」の「集」まり、

つまり複数の歌曲をまとめたものとなる。

 

 

しかし歌曲は大抵、一つ一つが独立した音楽や意味を持っているから、

別に歌曲集で演奏する必要はないのだ。

むしろ色んな作曲家の歌曲をアラカルトで聞いた方が、

聞いている方は一回の演奏会で様々な音楽や色彩、時代を楽しむことができる。

 

 

じゃあなぜ歌曲「集」で演奏するのか。

 

 

一つは、上記に当てはまらない場合である。

すなわち、それぞれの歌曲がつながりあっていて、

歌曲を一つ取り出して演奏しただけでは

意味も、良さも伝わらないからである。

 

良い例が今回の演奏会(2019/8/3@銀座)で演奏する

歌曲集「リーダークライス Op.24」だ。

タイトルが「リーダー=歌曲」「クライス=循環」を意味しているように、

全ての歌曲がまるで輪っかのようにつながっている歌曲集だ。

 

いずれブログでも取り上げるが、

9つの詩が物語のように進行し、音楽も前後で鎖のようにつながっている。

こういった歌曲「集」は、断片的に演奏することは難しい。

 

 

そしてもう一つは、作曲家のその時期の美学、思想、感覚に触れることができるからだ。

 

作品番号=Op. はもっぱら、作曲された年や月が近い作品が同じ番号を持っている場合が多い。

なぜなら、作曲家によってそのように出版されていることが多いからだ。

 

それぞれの歌曲は当然、多様で幅広い音楽を聴かせてくれる。

だが、その世界観はどうしても制限されてしまう。

良い意味でも、悪い意味でも。

 

そこで歌曲「集」として、俯瞰して見てみる。

すると、それぞれの制限された世界にはっきりと、はたまたごくわずかの有機性が見えてくる。

 

そこに作曲家は生きている。

おれはここにいるぞ!と言わんばかりに

もしくは息を潜めてこっそりと。

 

つまり歌曲「集」を演奏することは、

その時期の作曲家の主張や感性を蘇らせてあげる行為だと考えている。

 

もちろん例外というものはある。

だがそこに、演奏会がただの「再現」ではなく演奏家の「芸術」とする余地があるのではないだろうか。

 

という、私見です。

他の方の考えも聞くことができたら素敵だな。

 

というわけで、これからオペラに行ってきます。

 

 

 

深瀬廉 

 

3. Liebeszauber

Die Liebe saß als Nachtigall

im Rosenbusch und sang;

es flog der wundersüße Schall

den grünen Wald entlang.

 

Und wie er klang, da stieg im Kreis

aus tausend Kelchen Duft,

und alle Wipfel rauschten leis',

und leiser ging die Luft;

 

Die Bäche schwiegen, die noch kaum

geplätschert von den Höh'n,

die Rehlein standen wie im Traum

und lauschten dem Getön.

 

Und hell und immer heller floß

der Sonne Glanz herein,

um Blumen, Wald und Schlucht ergoß

sich goldig roter Schein.

 

Ich aber zog den Weg entlang

und hörte auch den Schall.

Ach! was seit jener Stund' ich sang,

war nur sein Widerhall.

>Emanuel Geibel<

 

 

 

3. 愛の魔法

バラの茂みで 歌っている

愛のナイチンゲール

森中に 響きわたる

甘美な歌

 

すると 立ちのぼる

幾千もの 花の香

しずかにざわめく梢

そよ風

 

音をたてずに流れる

小川

じっと耳をすませる

鹿は 夢のなか

 

明るく まぶしく

射しこむ 日のひかり

花に 森に 谷底に

朝焼けのひかり

 

ふと立ち止まり

聞こえてくる その響き

ああ! ボクの歌ってきたあの歌は

この音の こだまだったのか

 

【6つの歌曲 Op.13 作曲:クララ・シューマン】

1. Ich stand in dunklen Träumen

2. Sie liebten sich beide

3. Liebeszauber

4. Der Mond kommt still gegangen

5. Ich hab' in deinem Auge

6. Die stille Lotosblume

 

 

 

クララ・シューマン生誕200年。

3回目。

(過去の記事は→こちら

 

 

今回はクララとロベルトの二人の作品が含まれている歌曲集のお話。

ただOp.13よりも少し過去のお話なので、時間列が前後してしまうのはご容赦を。

 

 

1回目のブログで書いたように、

夫ロベルトに勧められて歌曲の作曲を始めたクララ・シューマン。

 

だがクララには歌曲の作曲に対する自信がなかった。

 

幼少期から父親に音楽のあらゆる英才教育をなされてきたクララは

音楽に対する感性はもちろん、鋭い審美眼も育まれていた。

そのお陰か、自身の音楽に対する評価も第三者的で厳しいものだった。

もちろん、作曲という分野でも。

 

すぐそばにいる夫ロベルト・シューマン。

彼の作曲能力が非凡であったことは、現在の私たちから見れば当たり前のことだが、

歌曲の作曲に不慣れなクララが自分と比較する対象としては、傑出しすぎていた。

ロベルトの作品が非凡すぎて、自分の作品が幼稚で下手なもののように思えたのだ。

 

だからクララは、最初に作曲した歌曲をロベルトにプレゼントする際、

「価値がなくてほんのお試し程度の作品」と判定している。

 

しかしロベルトにとってそれらの作品は魅力的だった。

「一緒に歌曲集を出そう。おれはもう9曲作曲したから、クララもこの詩集から何曲か作曲して!」

とロベルトが提案してきたのは、クララが最初の子を妊娠している時だった。

妊娠中はマタニティブルーと言われているように、精神的に落ち着かない時もあるものだ。

「試したわ。けど私には無理、才能がないわ…。」

 

そんな中でもクララはなんとか頑張り、

詩集「愛の春」から4曲完成させる。

 

そこからはロベルトが奔走する。

なんとか3ヶ月後のクララの誕生日までに出版し、その歌曲集を「小さな喜び」としてプレゼントするために。

 

1841年9月13日、こうしてロベルトがクララにプレゼントしたのが

「12のリュッケルトの『愛の春』の歌曲 Op.37/12」だ。

12曲のうち9曲がロベルトによるもので、3曲がクララの作品。

夫婦として作り上げた歌曲集をクララが喜ばなかったはずがない。

 

 

ロベルトには勝手に事を進めている傾向が見られたが、

ロベルトの要望になんとか答えていくクララ。

この歌曲集には、夫に献身的に努める妻クララの姿と、

日頃支えてくれているクララに対する愛をどうにかして伝えようという

ロベルトのロマンチックな一面が現れているように思う。

 

 

夫婦っていいですよね、パート2。

 

 

 

 

 

深瀬廉

2. Sie liebten sich beide

Sie liebten sich beide, doch keiner

wollt'es dem andern gestehn. 

sie sahen sich an so feindlich,

und wollten vor Liebe vergehn.

 

Sie trennten sich endlich und sah'n sich

nur noch zuweilen im Traum.

sie waren längst gestorben

und wußten es selber kaum.

>Heinrich Heine<

 

 

 

2. ふたりは愛し合っていた

ふたりは愛し合っていた

どちらも打ち明けはしなかった

むしろ にらみ合い

愛ゆえ 苦しんでいた

 

ふたりはいよいよ離ればなれ

夢で たまに会うばかり

ふたりは実は ずっと死んでいた

そんなことには 気付かずに

 

【6つの歌曲 Op.13 作曲:クララ・シューマン】

1. Ich stand in dunklen Träumen

2. Sie liebten sich beide

3. Liebeszauber

4. Der Mond kommt still gegangen

5. Ich hab' in deinem Auge

6. Die stille Lotosblume

 

 

 

クララ・シューマン生誕200年。

2回目。

(過去の記事は→こちら

 

クララの歌曲作曲のきっかけは、

前回書いたように

夫ロベルト・シューマンが背中を押してくれたからであった。

 

それからというもの、最初の歌曲たちのようにクララは折につけ

歌曲をロベルトにプレゼントするようになる。

 

ただこの考え方は別段ここからスタートしたわけではない。

なぜならクララは幼少期

1832〜34年にかけて、というと13歳から15歳の間に、

父であるフリードリヒに歌曲をプレゼントしているからだ。

(「Walzer」や「Abendstern」など)

 

1840年、クララは21歳、ロベルトは30歳の年には

Ihr Bildnis

「Volkslied」

「Am Strande」を

クリスマスプレゼントとして。

 

1842年には

Liebeszauber

Sie liebten sich beide」を

誕生日プレゼントとして。

 

1843年には

「Loreley」

Ich hab' in deinen Auge

「O weh des Scheidens」を

誕生日プレゼントとして贈っている。

 

これらのプレゼントを受けて、ロベルトは考えた。

クララにはもうしっかりと歌曲を作曲できるようになっている」と。

 

そこでロベルトは、いつも世話になっている出版社Breitkopf & Härtelに一筆したためる。

上記の赤文字の楽譜と、1843年7月にクララが作曲した

「Der Mond kommt still gegangen」

「Die stille Lotosblume」の楽譜を添えて。

私の妻がすぐにでも発売したいということなので、小さいですが歌曲集をお送りします。

歌曲集のタイトルについて、只今コペンハーゲンに確認中ですが、この歌曲集を献呈する予定の女王の名前を冠する予定です。…

 

1年前、クララが演奏旅行のためにコペンハーゲンに行ったとき、

女王がとても良くしてくれたという思い出があったからだ。

 

出版社は発売を了承する。

こうして1844年1月に発売された歌曲集が、表題にある『6つの歌曲 Op.13』だ。

 

ちなみに発売時のタイトルは例によってえらく長い。

Sechs Lieder mit Begleitung des Pianoforte componiert und Ihrer Majestät der regierenden Königin von Dänemark Caroline Amalie ehrfurchtsvoll zugeeignet von Clara Schumann. Op.13』。

…長いな。

 

彼女の作品だけで発売された記念すべき最初の歌曲集は、

こうして夫ロベルトの尽力で発売されることとなった。

 

クララの物語は、

ロベルトと助け合いながら歩んでいく

まさに夫婦の軌跡そのもので、

読んでいるとその愛にこちらも幸せを感じられる。

 

夫婦っていいですよね。

 

 

 

深瀬廉

1. Ich stand in dunklen Träumen

Ich stand in dunklen Träumen

Und starrte ihr Bildnis an,

Und das geliebte Antlitz

Heimlich zu leben begann.

 

Um ihre Lippen zog sich

Ein Lächeln wunderbar,

Und wie von Wehmutstränen

Erglänzte ihr Augenpaar.

 

Auch meine Tränen flossen

Mir von den Wangen herab, 

Und ach, ich kann′s nicht glauben,

Dass ich dich verloren hab!

 

 

 

1. 暗い 暗い夢の中

暗い    暗い夢の中

あの子の絵を じっと見つめていた

すると 動きだす

愛らしい かお

 

美しく ほほえむ

あの子の口もと

さみしい涙が

光る瞳

 

ながれる ボクの涙

ほほをつたい ポトリ

ああダメだ 信じられない

君を失ったなんて!

 

【6つの歌曲 Op.13 作曲:クララ・シューマン】

1. Ich stand in dunklen Träumen

2. Sie liebten sich beide

3. Liebeszauber

4. Der Mond kommt still gegangen

5. Ich hab' in deinem Auge

6. Die stille Lotosblume

 

 

 

クララ・シューマン生誕200年。

(関連記事は→こちら

 

彼女は1819年生まれなので、

生きていれば200歳ですね、というお話。

 

200年という年月は

なんだかとても長く感じられる。

明治維新が1868年だけど、

全然最近のことには感じられない。

 

ただこういう作曲家は

なぜか幕末のお侍さんたちよりも

人間味があるように感じるのは

私だけかな。

 

クララ・シューマンはすごいピアニストだった。

一流ピアニストとして国際的に活躍し、

ピアノの曲も何曲も作曲した。

 

 

ではどうして歌曲を作曲することになったのか。

 

「ちょっと歌曲作ってみなよ」

ロベルト・シューマンはクララにこんな言葉を

1840年3月の手紙で投げかけている。

 

1840年といえば、ロベルト・シューマンにとって「歌曲の年」だ。

ドイツ歌曲の金字塔とも言える「詩人の恋」をはじめ、

ロベルト・シューマンを歌曲作曲家として有名にした曲を沢山書いた年だ。

つまりロベルトは、いま自分にとって魅力的な歌曲作曲をクララにも勧めてきたわけである。

 

クララはもう作曲は習っていた。

幼少期の英才教育として、父がピアノだけに偏らないようにと作曲の手ほどきも手配していた。

さらに、歌のレッスンも受けていた。

つまりクララには、歌曲作曲の素養は十分に揃っていたのだ。

だがクララのそばに、ロベルトがいた。

 

文学に詳しく、豊かな感性、作品には霊感が宿る。

そんなロベルトの作品を見ていると、自分には歌曲の作曲など到底無理だと考えるようになり、

クララは歌曲の作曲にすぐに手をつけることはなかった。

 

1839年から40年にかけて、クララとロベルトは裁判の渦中にあった。

クララとロベルトが結婚できるかどうかが委ねられている、クララの父親との裁判だ。

1840年8月、ようやく二人は裁判から解放される ー 勝訴だ。

二人は結婚を勝ち取ったのだ。

 

高揚感、幸福感から、クララは歌曲作曲に手をつけ始める。

ただし、ロベルトが外に出かけているときにこっそりと。

詩を選ぶことが難しい、とクララはロベルトに漏らしていたから、

ロベルトはあらかじめ歌曲作曲用に詩を選定してくれていた。

 

そうして完成した曲は3曲。

"Am Strande"、”Ihr Bildnis"、"Volkslied"。

それらは全てロベルトへのクリスマスプレゼントとなり、

ロベルトはその贈り物を喜んでくれた。

 

こうして、

歌曲作曲家クララ・シューマンは

誕生した。

 

彼女の人間性については、

また後日。

 

 

 

深瀬 廉

2. Aus meinen Tränen sprießen

Aus meinen Tränen sprießen

Viel blühende Blumen hervor,

Und meine Seufzer werden

Ein Nachtigallenchor.

 

Und wenn du mich lieb hast, Kindchen,

Schenk ich dir die Blumen all,

Und vor deinem Fenster soll klingen

Das Lied der Nachtigall.

>Heinrich Heine<

 

 

 

2. その花々は

その花々は

ボクの涙から 咲いたもの

そのナイチンゲールの歌は

ボクのため息 だったもの

 

ボクを好きだと 言うのなら

花をすべて 君にあげよう

ナイチンゲールの 歌だって

外から 君に聞かせよう

 

歌曲集「詩人の恋」 作曲:ロベルト・シューマン(1810-1856)

1. Im wunderschönen Monat Mai

→3. Die Rose, die Lilie, die Taube

 

 

 

対訳を作る。

 

推理小説しか読んだことのない、

その他のジャンルの小説に

若干の拒否反応のある私は、

対訳というものは正確でなくては、と考えていた。

(そしてこの考えは今だに顕在。)

 

詩人が丁寧に紡いだであろう言葉を、

私ごときがないがしろにしていいわけがない、と

考えていたからだ。

 

でも、この考えは

1年前のリサイタルの準備期間

(だから2018年の10月頃だろうか)

から少し変わってきた。

私はリサイタルのプログラムに

訳した詩を載せるのだが、

逐語訳だとなんだか

自分でも内容を理解するのに

時間がかかる。

 

パッと読んで、

え、どういう意味だ?

ってなって、

もう一度読む。

それってどうなんだろう、と考えてしまった。

言葉に引っかかって理解できない、のではなく

全体の意味がわかりにくかったのだ。

 

じゃあ仕方がない。

単語をひとつずつ正確に訳すのをあきらめて、

読みやすさを追求してみよう。

というわけで産まれたのが

前回からあげている「詩人の恋」シリーズだ。 

 

素晴らしいメリットがあった。

文字数を少なく、少なくと考える過程で

詩の解釈も凝縮していったからだ。

 

何の要素を絞り出すか。

詩人は何を考えていたのか。

作曲家はその詩から何を得たのか。

 

そんなところまで考えて

対訳を作れるようになれたらいいなあ。

と憧れる私。

 

 

 

深瀬廉

 

歌曲集「詩人の恋」 作曲:ロベルト・シューマン (1810-1856)

1. Im wunderschönen Monat Mai

2. Aus meinen Tränen sprießen

3. Die Rose, die Lilie, die Taube

4. Wenn ich in deine Augen seh

5. Ich will meine Seele tauchen

6. Im Rhein, im heiligen Strome

7. Ich grolle nicht

8. Und wüßten's die Blumen, die kleinen

9. Das ist ein Flöten und Geigen

10. Hör' ich das Liedchen klingen

11. Ein Jüngling liebt ein Mädchen

12. Am leuchtenden Sommermorgen

13. Ich hab' im Traum geweinet

14. Allnächtlich im Traume

15. Aus alten Märchen

16. Die alten, bösen Lieder

1. Im wunderschönen Monat Mai

Im wunderschönen Monat Mai

Als alle Knospen sprangen, 

Da ist in meinem Herzen 

Die Liebe aufgegangen.

 

Im wunderschönen Monat Mai, 

Als alle Vögel sangen, 

Da hab ich ihr gestanden 

Mein Sehnen und Verlangen.

>Heinrich Heine<

 

 

1. うつくしい 五月

うつくしい 五月

花はみな 芽吹く

心には 愛も

花開いた  五月

 

すばらしい 五月

鳥はみな 歌う

想いのたけを ボクも

あの子に打ち明けた 五月

 

歌曲集「詩人の恋」 作曲:ロベルト・シューマン(1810-1856)

2. Aus meinen Tränen sprießen

 

 

 

対訳を発表する。

 

このことに

私はかなりの抵抗を抱いていた。

 

なぜなら単純に恥ずかしいから。

 

もともと文才なんてものはないし、

子供の頃によく読んでいた本といえば

推理小説ばっかり。

 

小学校4年は「マガーク探偵団」シリーズ(知ってる人いるかな…?)、

5年は江戸川乱歩、

6年は「ホームズ」シリーズ

 

なので

詩を読み、解釈するというのは

私にとって苦行でしかなかった。

だって意味がわかんないんだもん。

 

でも最近ようやく気がついた。

対訳には自分の解釈がはっきりと現れるということに。

しかもそれは自分だけで見ているだけでは分からず、

誰かに見てもらう、というストレスや圧力が

その解釈をより明確にさせるのだ、と。

 

そんなわけで、

これまで自分が訳してきた子供たちを

世間に少しずつ出していこうと思う。

可愛い可愛い子供たち。

推敲を重ね、愛してきた一つ一つの言葉。

 

あと、7月のリサイタルのために

ここでも曲に対する考え方や解釈などを

出していければな、とも思っている。

 

対訳専門の方から見れば

きっと拙い文かもしれない。

その時は、どうかご連絡ください、

できれば具体的な指示もいっしょに。

 

ちなみに変更などでてきましたら

随時こちらでも変更をしようと思います。

ブログだからきっと変更、

できるはず。

 

 

 

深瀬廉

 

歌曲集「詩人の恋」 作曲:ロベルト・シューマン(1810-1856)

1. Im wunderschönen Monat Mai

2. Aus meinen Tränen sprießen

3. Die Rose, die Lilie, die Taube

4. Wenn ich in deine Augen seh

5. Ich will meine Seele tauchen

6. Im Rhein, im heiligen Strome

7. Ich grolle nicht

8. Und wüßten's die Blumen, die kleinen

9. Das ist ein Flöten und Geigen

10. Hör' ich das Liedchen klingen

11. Ein Jüngling liebt ein Mädchen

12. Am leuchtenden Sommermorgen

13. Ich hab' im Traum geweinet

14. Allnächtlich im Traume

15. Aus alten Märchen

16. Die alten, bösen Lieder

ちょっと

心機一転ということで、

今までやっていたアメブロを

再開させてみました。

 

これから

こちらでも

色々な情報を公開していければな、

と思っています。

 

できればこちらのブログでは

ツイッターでは書けないような

長文の内容や

対訳なんぞを

載せていければな、

と思っています。

 

さて、

どんなブログに

育ってくれることやら。

 

 

深瀬 廉