桜餅の小説館。

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第二章 「俺と黒猫。」
 メールをしてから2日が経った
「遅い・・・」
俺はさながらクリスマスにサンタを待つ小さい子供の様にパソコンの前にいた。管理人が忙しいのは分かるのだが、気の短い俺にはどうしても待てんのだ。
「むぅ・・・」
あきらめてリビングに行こうとした時、パソコンのスクリーンに「メール一件受信」の文字。
「よっしゃあああああああああ!」
ついに来た!やっと来た!俺ははやる気持ちでメールの内容を確認した。
「返信が遅れてしまい、大変申し訳ありません。「猫」の管理人の志乃です。以後お見知り置きを。バイトの件ですが、こちらは問題ありませんので、お手数ですがこちらの住所にお越し下さい。予定が合わない場合、メールでお知らせ下さい。」
志乃さんって人すっげぇ言葉遣い丁寧だな。俺は、年齢は二十歳前後位の若くておとなしい印象の女性を思い浮かべた。
「午前二時・・・遅いけどまぁいいか。」

翌日、ぴったり午前二時。俺は「妖相談所」の前にいた。
「緊張すんな・・・つうか何でこの家こんなにでけぇんだよ・・・。」
深呼吸をして、俺はインターホンを押した。すると、
「・・・どちら様?」
インターホン越しに、透き通った少女の声が聞こえる。少なくとも、志乃さんとは考えづらい、幼い声だった。・・・一応人の家だし、敬語にしておこう。
「えぇっと・・・夜分遅くにすみません。バイトの件でお伺いしたのですが・・・志乃さんって方いますか?」
しどろもどろに用件を説明した。
「・・・どうぞ。」
ドアが開いた。すると予想していた通り、八歳か九歳位の少女が出てきた。少女は、薄手の真っ黒なパーカーにホットパンツ(しかも裸足)の、なんとも季節外れの格好だった。
「えっ・・・と。志乃さんって・・・」
すると少女は、
「私・・・志乃・・・」
「・・・・えええええええええええ!?」思わず叫んでしまった。だってこの子が志乃さんだって!えぇぇええええ!?
「ま・・・まじで・・・?」
こくり。と少女―志乃さん(?)は無言で頷いた。すると、
「どうした?志乃。」
という少し低めの声が聞こえた。もちろん俺ではない。声のする方を見ると、そこには優しそうな顔の青年―俺より一つか二つ年上と思われる人が出てきた。「その人は?」
青年が問う。
「・・・新人。」
すると青年がこちらを向く。とりあえず自己紹介だな。
「えっと・・・今日、新しいバイト先という事で連絡をいただいた者なのですが・・・」
すると青年がTVでよく見る男性アイドルばりの笑顔で、
「あぁ。不知火京介様ですね。お待ちしていました。どうぞこちらへ。」
そういえば玄関にいたままだったな・・・って
「ええええええ!?」
「どうかしましたか?」
何で俺の名前知ってるんだこいつ・・・!サイトの必要事項にもかいてないし・・・
「あなたの名前なら、志乃が調べてくれたので。」
え?今、志乃って・・・
「あの・・・やっぱり志乃さんって・・・」
「はい。この子ですよ。驚いたでしょう?」
はい。かなり。でもまあ世の中何が起きても不思議では無いし。
俺はリビングに案内され、まず全員の自己紹介から、という青年の提案で自己紹介をする事になった。
「えぇっと・・・俺は不知火京介。一応高校三年生です。」
俺は簡単な自己紹介をし、つぎに青年が先ほどの笑顔で自己紹介を始めた。
「僕は桜井玲二。大学ニ年だ。よろしく頼む」
次はいよいよ志乃さんの番だ。
「・・・桜井志乃。小学二年生。・・・・・よろしく」
「よし!じゃあさっそく妖相談所を案内しよう。」
青年―玲二が立ち上がる。
「てなわけで志乃。よろしく。」
「・・・分かった。」
志乃が立ち上がる。廊下をまっすぐ進み、壁に突き当たった。

今回はここまでです!