エイジングケアサロンレンカの高村です。相模大野で13年美容皮膚科レベルの結果にこだわり続けてきたサロンです。
エイジング世代の肌悩みでも常に上位にあるのが【シミ】ですね。
シミ取りレーザー治療を受けたことがある方はご存じだと思うのですが、レーザー治療で取れないシミって多いですよね。
レーザーで取れた!っと思っても、また半年くらいすると復活してしまったり、
下手をするとレーザーを当てる前より濃くなってしまうような、経験をされている方少なくないですよね。
シミ取りで失敗したり、思うような結果がが得られなくてご相談を受けたり、わたし自身の経験も含めて、
レーザーのシミ取りでメリットがあると思うシミの種類は、大きめで輪郭のはっきりした濃い目の老人性色素斑くらいで、
それ以外のシミにはレーザーを当てるメリットはあまりないと思ったりしています。
美容クリニック勤務経験のある私だからこそ言える真実…。
こんなこと言ってはアレですが、それほど経験のない医師でも簡単に開業できてしまう美容医療の世界。
どんな種類のシミにも同じ種類のレーザーをやみくもに当ててしまうような、インチキな美容クリニックなどもあるので
自分がしっかりとした知識をもってクリニックや治療を選べるように準備しておくのは必要ですよね。
シミの元を作っているのはメラノサイトという細胞
メラノサイトは表皮の一番奥にある基底層というところにあるメラニンを作り出す細胞です。
メラノサイトは1mm平方の肌細胞の中に約1,500個あって、もともとは白色メラニン(白いメラニン)というものを作り出しています。
一時的に紫外線などの強い刺激を受けると、脳の下垂体からメラニン細胞刺激ホルモンというホルモンが分泌されて
メラノサイトに黒いメラニンを作りなさいという指令が送られます。そそれを受けて、白いメラニンを作っていたメラノサイトは急いで黒いメラニンを作り出すようになります。
まるで白い細胞君たちが、突然一斉に日傘をかぶったようにして身を守る。そんなイメージです。
これは細胞を刺激から守るために人の身体にもともと備わっている防御反応なんです。
驚くことに紫外線が目にはいった時も、精神的なストレスを感じた時も、脳の下垂体からメラニン細胞刺激ホルモンというホルモンが分泌されるので
肌に紫外線を浴びた時と同じように白色メラニンは黒色化することが分かっています。
メラノサイトの暴走
強い刺激から自らの細胞を守るために、メラニンという黒い傘をかぶったとしても、本来はそれはあくまでも一時的なことで、必要がなくなると黒い傘を作るのをやめます。
そして使用済みの黒い傘は、ターンオーバーを通して古い角質と共に垢として外に排出されます。
ところが加齢や肌ダメージにより、ターンオーバー自体がおそくなっていたとしたら、この古くて黒い傘は肌の外に排出されずに肌にとどまってしまいます。これがシミの正体。
さらに刺激によりメラノサイト自体がダメージを受けてしまうと、メラノサイト自体の機能にエラーが生じてしまい、必要もないのに黒い傘を作り続けてしまうという事態が起こってしまいます。
これがメラノサイトの暴走です。
外には排出されないのに、肌の奥の方では四六時中メラニンは作られているということは、年数にもよりますが、どれだけのメラニンが角質層の中に蓄積されているんだろーってことですよね。
普通の美白剤のみでは、数か月で外に排泄させるのはほぼ無理だということは簡単に想像できると思います。
レーザーでシミが取れなかった理由
シミを消すポイントは以下の2つで、
①メラノサイトの暴走を止めること
②古いメラニンを外に排出させることです。
レーザー治療はここでいうと②の古いメラニンを外に排出するためのものです。数年から数十年分の溜まったメラニンを一発で外に出せるのはすごいです。
でも、これだけだとメラノサイトの暴走は止まらないので、数週間~数か月でまた同じこころにシミが出没します。
またレーザーは強いエネルギーで刺激を与えるので、火傷のような刺激に肌はびっくりして細胞を守ろうとして、あらたに黒い傘の製造を強化してしまいます。
つまりレーザーをきっかけに、メラのサイトの大暴走が再び起きてしまう可能性もあるんです。
またレーザーの刺激によって炎症が起きると、体は細胞を守ろうとして、またメラノサイトが活発になって黒い傘の製造をはじめます。これが炎症後色素沈着といわれるもののリスクです。
炎症の後の色素沈着のメラニンは、シミが出来る部分よりも深い真皮層まで落ち込んでしまうこともあり、そうなるともう外に排出されません。炎症後色素沈着というシミが出来てしまうんです。
そこまで深いところまでメラニンが落ちていなかったとしても、蚊に刺された跡が半年から一年の間消えないというくらいターンオーバーが遅くなってしまったエイジング世代のわたし達にとっては恐ろしいこと。
また出来たシミにレーザーを当てるという、同じ刺激を繰り返すことで、細胞はトラウマ状態になり、もはメラノサイトの暴走は止まらなくなってしまうということです。
けっきょくレーザでシミを取ってあとも、シミが消えないとか、また出てきたというのメカニズムはそんな感じです。
レーザーを当てたあとのケアで重要なこと
けっきょくレーザーでシミを取った場合でも大事なのは、
①メラノサイトの暴走を止めること
②古いメラニンを外に排出させる
つまり、美白ケアはやめることは出来ない、続けなければいけないんです。
この2つをしないとレーザー後の色素沈着が定着してしまったり、メラノサイトの暴走が止まっていないので、またすぐ出てくるということが起きるんです。
①メラノサイトの暴走を止めること
②古いメラニンを外に排出させる
これはどちらかだけでなく同時に行うことがポイントになります。
ビタミンA・ハイドロノン療法
メラノサイトの暴走を止めるためにおすすめの美白剤はハイドロキノンです。
ハイドロキノンは、メラノサイトがメラニンを作るとに必要なチロシナーゼという酵素を阻害するため、白色メラニンから黒色メラニンに変わるのを阻害してくれます。
さらにメラノサイトのDNAやRNAの合成を阻害して、エラーが起きて暴走が止まらなくなってしまったメラノサイトを壊す働きもあります。
ハイドロキノンは、アルブチンやこうじ酸などの美白成分の10~100倍の効果があるといわれて、皮膚科でもシミ治療の定番役になります(自由診療)にはなります。
最近は法律の改正もあり、市販されているので手に入りやすくなりました。
そして②古いメラニンを外に排出させる
ビタミンAは肌に塗ることにより、滞ったターンオーバーを正常に整えると同時に、角質肥厚を解消(ピーリング効果)します。
角質肥厚が整うことで、ハイドロキノンの浸透よくなり効果も発揮されやすくなります。
停滞したターンオーバーを促進するなら、ビタミンA(レチノール誘導体)しかありません。
さらに皮脂分泌をコントロールして水分油分のバランスを整える、コラーゲンの生成を促す、抗酸化作用により肌老化を防ぐ働きもあります。
これにより、肌表面の余分な角質を薄くし、内部の真皮のボリュームを増やす効果が期待でき、透明感とハリのある肌へと導いてくれるので、
ビタミンAを普段のスキンケアに取り入れることは、エイジング世代に限らずすべての方にプラスでしかありません。
使用するときの注意
ハイドロキノンも、ビタミンAもどちらも効果があります。その分、強力に肌の機能を活性するもなので、一時的に赤みやかゆみなどが出ることもあります。
またどちらの製品も、通販などで手軽に手に入るものから、医療機関やサロンでしか手に入らない専売品などもあり、形態や安全性など不明のものも多いとお見受けします。
どの製品の安全性が高いのか、赤みが出た場合、かぶれなのか?活性による好転反応(レチノイド反応)なのか判断が分からない、なんていうこともありますので、まずはよくわからないときはプロにご相談してくださいね。