船出。 | 地獄通信

地獄通信

日々の悲しみを綴っています。

太陽が、

 

南中をだいぶ過ぎた頃、

 

出航。

 

空は、

 

快晴。

 

風は、

 

ちょっと強め。

 

船出って、

 

毎回、

 

ワクワクする。(*・ω・* )ワクワク

 

船が、

 

小気味の良い音を立てながら、

 

ゆっくりと、

 

港を離れる。

 

とっても、

 

とっても、

 

ゆっくり。

 

まぁ割と近い島らしいからね。

 

船は、

 

ちょっと混んでるけど、

 

めちゃくちゃ気持ちいい。

 

これなら、

 

1時間ぐらい乗っててもいいのに。。。

 

ここで、

 

船のアナウンスが、

 

不吉なことを言い出す。

 

「ドックを出ると、物凄く揺れます。」

 

よく見ると、

 

まだドックの中だった。(゜∇゜;)ハッ!

 

けっこう大きなドックだったんだね。

 

出口に向けて、

 

少しずつ加速する船。

 

まぁそうだよね。

 

さっきみたいなスピードなわけないよね。

 

だんだん、

 

不安が募る。

 

なぜなら、

 

ドックの外側は、

 

けっこう波があるのが見えたから。

 

エンジンが、

 

さらに唸りをあげる。

 

風が、

 

痛い。

 

超絶寒い。

 

そして、

 

波しぶきが、

 

冷たい。。。(;へ:)

 

なんか、

 

背後では、

 

若い女性が、

 

悲鳴のような声を上げている。

 

隣のカップルとか、

 

さっきまで、

 

騒いでたくせに、

 

今は、

 

黙って抱き合い、

 

石のように固まって動かない。

 

後ろの若いグループは、

 

遠い目をし、

 

手すりを握りしめながら、

 

風に耐えるオブジェ(×4)と化していた。

 

他の人達も、

 

みな灰色に見えた。

 

2階部分は、

 

完全に地獄絵図に変わった。

 

こんな責め苦に、

 

あと18分ぐらい耐えねばならないとは。

 

気分はもはや加山雄三ではなく、

 

坂本冬美だ。

 

心の中から、

 

「津軽海峡冬景色」が聞こえる。

 

色んな体勢を試み、

 

この苦しみから逃れようとしたが、

 

遂には、

 

船の進行方向に背を向け、

 

そして俯き、

 

私も、

 

石になった。

 

続く。( ;∀;)