少女地獄1999』。

似たようなタイトルの作品をどこかで見かけたなあという方、それは『夢野久作の少女地獄』ですよ。それはただのポルノ映画ですよ。まあもっともただのポルノ映画というには全篇これでもかというぐらいの萎えの嵐なので、逆バイアグラとしては効果絶大かもしれません。似たような作品に『鮮血の美学』『発情アニマル(悪魔のえじき)』がありますが、まあどっちもそんなビデオ屋で探して見るほどの価値はないですね。『鮮血の美学』はあのショーン・S・カニンガム(『13日の金曜日』で有名になった人)とウェス・クレイブン(『エルム街の悪夢』で有名になった人)がタッグを組んだ作品なのですが、その味わいはまるで彼らの出世作とは異なる、不快極まりないものでした。どっちもおちんちん切断シーンがあるんで、おちんちんを切断するシーンを見たいという方にのみお勧め。
……いい加減こんなんばっかネタにしてると通報されそうですが。それはそれでネタとして有用なので、どっちでもいいっちゃどっちでもいいんですけどね。

かつてなくダウナーな人生を歩んできた僕にとってのダウナー映画とは果たして何だったろうかと思い返してみるに、真っ先に挙げられたのが本作『少女地獄1999』でした。あらすじらしいあらすじなんてものは存在せず、全篇これひたすらにダウナーな映像がこれでもかこれでもかと続きます。

登場人物達は全員みんなどこかイカレていて、唯一理性を保っていた主人公も襲い来る不幸の連続(感覚的には『デッドコースター』の不幸版みたいな連鎖っぷり)についに精神を病んでしまいます。ラスト、不幸に耐えかねた主人公がホームレスのおばちゃんに助けを求めに行くも、それまで娘と思い込んで大切にしていた人形が壊されたおばちゃんは既に錯乱しまくっていた後で、必死に人形を修復しようとする姿はまさに哀れの一言。そしてそのおばちゃんの姿を見た主人公は、壊れた人形に嫉妬して振り下ろしたバットおばちゃんの頭をカッ飛ばしてしまうのでした

全篇これダウナー。今やカルトと化した『鮮血の美学』は、そのあまりに不快な内容から「何であんな作品にしたのか理解に苦しむ」とまで言われた作品でしたが、本作『少女地獄1999』はまさに「何でこんな作品にしたのか理解に苦しむ」デキ。そういえばポルノだった方の『少女地獄』もやたらダウナーなデキだったのを思い出します。まあ確かに、『少女地獄』なんてタイトルの作品でハッピーエンドってのも何だかわけがわからない気はしますけれども。

そんなわけで、これをすることでほぼあらすじの紹介にまでなってしまうという素晴らしく内容の濃い人物紹介ー。

まず主人公は普通の女子高生です。普通と違うのはそのあまりに不幸すぎる体質ぐらいのもので。さらにはラストで頭をカッ飛ばされてしまうおばちゃん。作中、不幸な目に遭っては打ちひしがれる主人公にとって唯一の心の慰めであります。ちなみに母親はおらず、このおばちゃんには母親の像を重ねているのです。まあ頭カッ飛ばしちゃいますけどね
主人公の姉。交通事故で包帯グルグル巻きアンド身動きできない状態で、主人公を逆恨みしています
主人公の父。凶暴プラス飲んだくれという人生の泥沼コンボを遊戯王の如くキメちゃってる人で、主人公を虐待しています。ついでに姉と関係あり。
主人公に恋慕の情を抱く青年その1。ジョブは強姦魔
主人公に恋慕の情を抱く青年その2。ジョブは監禁魔(サポートジョブは飲尿家)。

登場人物終了!

まあつまりそういう話です。何故かたまにレンタル店の棚で見かけることもあるのですが、まあ間違っても借りて見たりしない方が身のためというか、レンタル代のためです。

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