中国から輸入されていた冷凍枝豆から除草剤の一種が検出され、厚労省が食品衛生法に基づいて29日に、全輸入業者に検査命令を出しました。
 ネギやホウレン草などに続いて今度は枝豆です。
 中国産野菜、中国産の加工食品から日本では認められていない残留農薬が見つかる、というニュースが連日のように報道されています。
 
 食べ物の他には玩具。
 当たり前のことですが、口に入れることも多く、自分で安全性を確認することさえできない子どもが使う玩具には厳しく安全性を確認する対策が企業に求められるものです。
 子ども達に人気のある機関車トーマスの玩具に使われている塗料から「鉛」が検出されたとして、アメリカのマテル社が自主回収に乗り出したニュースは記憶に新しいところですが、日本のタカラトミーとバンダイ、セガなどが相次いで中国玩具の安全対策を強化する対策を発表しています。
 
 報道によれば、あるメーカーが現地法人に設置するX線分析装置では、鉛やカドミウム、水銀などの有害物質が塗料に含まれているかどうかや、その濃度測定まで行なえるというものとありますが、正直驚きました。

『え?』、であります。
 日本でカドミウムといえば、環境汚染によって発生したカドミウムが原因で発生したイタイイタイ病。腎臓機能に障害が生じるなど身体に有害であることが明らかとなっています。
 また、水銀でいえば、かつて世界で毒薬として使われていた有機水銀はいまやその使用が禁止されていますが、日本では工場排水に流された有機水銀中毒で水俣病という大変痛ましい病気を引き起こした原因物質です。
 そうした物質が玩具の塗料に使われているかどうかを調べる装置が導入されるということは、中国ではカドミウムや水銀の毒性への知識や安全性が広く知らされていないということではないでしょうか。
 仮に、知識や問題意識が欠けているとすれば、今、行なうべきことは装置の導入や検査人員の大幅増加ではなく『教育』だと思えます。
 
  
 しばらく本来業務以外で注目されていた農林水産大臣でしたが、この間、中国には高級米として日本産のお米の輸出が解禁されました。こうした機会を利用して、今後は食品や農薬、化学物質などの「安全性」を日中両国で研究し、啓発活動へ汗をかくのも大切な外交活動だと思えます。

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