「審議は尽くされていない!」

 衆議院の厚生労働委員会、私たちの主張を無視する形で先週金曜日に桜田委員長は「審議は尽くされた」として採決を強行、与党は強行可決を行いました。

 強行採決された年金機構法案、この法案によって特殊法人になる社会保険庁がいかにずさんな管理を行っていたかが私たちの指摘、追求で明らかになり、私たちはこの問題(宙に浮いている5,000万件の年金記録)を解決することを先に行うべきとして「審議は尽くされていない」と主張したにもかかわらず、与党は強行採決を行ってきました。

 ところが、そのわずか5日後には、前日に出されその日の朝に衆議院に付託をされた与党による議員立法が、わずか4時間の審議で再び採決が強行されました。この議員立法の内容は、私たちが指摘していた問題の一部を解決しようという内容で、本来であれば先に採決された法案と一緒に審議を行うべき内容です。しかも、委員会の審議の内容を聞いていると、本来答弁に立って説明しなければならない議員立法提出者は説明する言葉を持たずに、「政府与党は一体ですから大臣が答弁します」と責任感の欠如も甚だしい答弁を繰り返し、法案提出者でない柳沢大臣が滔々と法案内容の答弁を行います。議員立法という形をとっているとはいえ、法案内容は厚生労働省が作成したということがよくわかる答弁です。厚労省が作った法案を議員立法という形にしたのは、先に内閣が提出した年金機構法案で足らざるところを補う法律案を内閣、与党が再度提出することは自らの瑕疵を認める事になるからです。

 尽くされていない審議を打ち切った判断の間違いや、与党の主張に添った議事進行を行った桜田委員長の解任決議案、野党が要求していた資料を一切提出もせず、与党に都合のいい法案審議において説明を行うなど、この年金問題を積極的に解決する姿勢を見せなかった柳沢厚労大臣の解任決議案が、今、衆議院本会議で採決をされています。「数の力で否決をされるにもかかわらず時間の無駄で迷惑だ」と言う与党議員がいますが、時間の無駄と受け止めるその感覚がおかしいと私は思います。国会には国民の代表たる議員がおり、それぞれの立場で提案や主張を展開し、審議を通じ、国民にとってより良い法案を作っていくことが責務だと思います。

 残念ながら、この5日間の与党の姿勢は、国民生活に直結する年金問題を扱っているにもかかわらず、与党のみが正しく、野党は間違っているという姿勢にしか見えません。私はその姿は驕りだと思います。

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