衆議院では国民投票法案をめぐって与野党の激しい攻防が展開されています。

 修正案を提出した上で審議を求める民主党に対し、修正案はのめないから審議はしない、だから民主党が反対しても委員長の職権で委員会を開いて採決する、という自民党。
 審議をしても結果は変わらないから審議はいらないという姿勢は与党の数の力の驕りであって、民主主義の否定ではないでしょうか。

 一方、今日の参議院では、各委員会で法案の審議が粛々と行われています。

 私の所属する文教科学委員会では「独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案」、通称イーター法案が審議をされました。
 イーターとは将来の究極のエネルギーと呼ばれるもので、文科省の説明によれば「地上に人工的に太陽を作りだすようなもの」だという。つまり、人工の太陽光エネルギー開発を目指すものなのです。

 このイーターという核融合エネルギーを実現するために日、欧、米、露、中で協力をして実験炉を計画、推進を進めているところなのですが、開発が実現するのは
『今世紀後半以降』
なんと、100年後???

 今、この開発に携わっている政治家も、役人も研究者も成功か否かを見届けることができないくらい壮大な計画なのです。
 今日、質問をした仲間の林久美子議員が大臣に聞きました。
「そこまで遠い将来の話ですが、大臣のこの計画にかけるご決意を聞かせてください」
 で、伊吹大臣が言いました。
「私が決意を述べても出来るかどうかわからない」
「とはいえ、日本が参加しないで成功した場合、この技術に恩恵にあずかれないのはいかがかと思いますよ」

 簡単に言うと、出来るかどうかわからないけど、できちゃった場合に仲間はずれになりたくないから参加してる、ってことでしょうか…。
 ちなみに、イーター開発のために当面日本が準備した額は1800億円。
 この夢のエネルギー、核融合をどんな技術で対応できるかを研究する「ブロードアプローチ」には、10年間で460億円もの予算がつけられています。

 で、ブロードアプローチは法案資料には『BA』と略して使われていますが、何なのかなと思っていたら文科省の局長が答弁で言いました。
「ブロードアプローチを日本語にすると、『幅広いアプローチ』ですね」
 私は、思わず野次でつっこんでしまいました。
「それって、アプローチも英語です!!!」
 大臣、与野党議員、答弁者の局長、文科省役人、みな一瞬大爆笑。

 しばらくして、私の隣に座っていた西岡武夫議員が私に話しかけてきました。
「昔ね、戦後のことだけど、国会でも英語が使われ始めた時に、ある代議士が答弁している時、自分では『ケースバイケース』と言ったつもりが何て言ったと思う?」

『バイスケバイスケ』

 私は一人で大爆笑。

 つまり、西岡先生は無理に英語、横文字を使うことはない、と言われたかったのだと思います。
 イーター法案は、BA、を日本語にしても内容がわかりにくいのでありました。
(ホームページもご覧下さい→http://www.renho.jp/)