高校で必修科目の履修漏れなどが相次いで発覚しています。
 35都道府県、213校。
 受験科目を優先し、必修科目の世界史、日本史を生徒に教えていない学校の数には驚きますが、文科省の指導している学習指導要領で学ぶべき中身が、受験入試の内容とかけ離れていることも浮き彫りになりました。同時に、監督義務のある教育委員会が全く機能をしていない、という問題も露呈されました。
 伊吹文科大臣は会見で言われました。
「必修科目を教えていた他の県や学校、科目を学んでいた学生もいるので、履修漏れをしていた学校、教育委員会は『責任』を持って対応していただきたい」
 必修科目を学んでいないと卒業は出来ません。今回、卒業できない恐れのある3年生は少なくても2万人以上いるとされています。
 ある高校は来月から補習を始め、土曜日に、冬休みにも授業を行って、来年1月のセンター試験までには履修を終わらせる、と報道されていました。
 学習指導要領を決めるのは文科省ですが、その要領を守っているか監督するのは教育委員会です。教育委員会が学校監督の機能を放棄したことが明らかになっても、文科省は「指導」しか行えない、という責任の所在があいまいなものが、今の教育行政です。
 伊吹大臣は、昨日の参議院の文科委員会で答弁されました。
「教育委員会の廃止は考えていない」
 私たちはコミュニティスクール、地域に根ざした学校創設の提案と、教育委員会に変わる組織を提案していますが、大臣は、教育委員会の問題は認めていますが、その問題解決のための代替案は示していません。
 負担を押し付けられるのは学生です。
 今の法体系では、今回の履修漏れで、教育委員会と学校には必修科目を学ばせる責任がありますが、受験を控えたこの時期に、学んでいなかった科目を短期間で学ばなければいけない負担は、相当大きいと思われます。
 学生を育て育む教育で、学ぶ学生を第一に考えていくためにも、実態にあった教育改革を提案し続けていきます。
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