今日、参議院の文教科学委員会で伊吹大臣の所信表明演説に対する質問を行いました。
 30分という限られた時間内での質疑応答だったため、北海道、福岡でおきたいじめ自殺の問題を中心に質問をしました。
 今、国の教育行政の最大の問題は、文科省が教育内容、教科書中身を決め、都道府県の教育委員会が教員人事を行い、市町村の教育委員会が学校の設置管理を担い、子どもと直接接する学校はその権限が大幅に制限をされているという四層構造にあります。学校で問題が起きても文科省は直接に指導できないこと、大臣は都道府県の教育委員会にしか指導、助言を行う事ができないことは、国が教育現場で発生している問題について、積極的な改善策を講じることができない状態を引き起こしています。
 特に、いじめ自殺というあってはならない事件が発生して明らかになったのは、学校が、教育委員会が事実を隠蔽した場合、文科省は実態を把握できない立場に置かされているということでした。
 文科省は「いじめの実態を把握している」としていましたが、いじめ自殺は0件で、いじめ総数も減少をしているというのが、文科省の把握している実態でした。そこには、いじめにからむ問題で検挙される少年は増え、学校の対応が不十分として法務省に、人権侵犯として相談をする件数も増加をしているという「現実」は含まれていません。学校から教育委員会に、教育委員会から文科省に報告される調査結果だけで「実態を把握している」という姿勢を正すことが必要ですが、今の四層構造になっている教育行政のあり方では、正すことができません。
 私たちは、日本国教育基本法案を提出し、国が教育の責任を持つことを明らかにして、学校に権限を幅広くもってもらい、地域が、保護者が学校の運営に積極的に参加をし、多くの大人が学校で地域の子ども達を育む制度を創設したいと考えています。
 伊吹文科大臣も、教育行政の問題を充分に認識されていると答弁をされ
「靴の底から足の裏をかいている」
 と言われましたが、今の教育委員会の問題を積極的に解決する姿勢は示されませんでした。残念です。
 一方で、官邸に設置をされた「教育再生会議」では、教育委員会を廃止すべきだ、という意見も出されています。一体、政府は教育をどのように変えていきたいのか。文科省が所管省庁として指導力を発揮していくのか、教育再生会議が率先して改革案を示していくのかが極めて不明確です。
 教育問題を会議している間にも、子ども達は成長をしていきます。だからこそ、何が子ども達の教育を支えていくのか、国家としての教育のあり方を、与野党で審議すべきで、官邸と文科省で調整をしているものではないと思えます。
 来週から衆議院の教育改革特別委員会が開会していきます。参議院ではどのような審議体制になるかは、まだ明らかではありませんが、子どもを育てる保護者の立場を重視して、審議に臨んでいきます。
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