昨日誕生した安倍自民党新総裁。
 『教育改革』を最優先と掲げたのが大変印象的ですが、新総理がどれだけ指導力を持って教育を変えていこうとしているのか。変えようとしている教育の中身がまだ見えてこないのが残念です。
 教育改革とは、「愛国心」という言葉を盛り込むかどうか、という審議・議論ではなく、日本の公教育のあり方をどうやって見直し、育っていく子ども達にどのような教育を国が責任を持って伝えていけるのかが問われています。
 現行の公教育において、一番の問題は「責任の所在」があいまいなことです。
 学習内容や教科書の中身は文部科学省が決めて、先生の採用や人事は都道府県。学校の設置と管理は市町村。こうしたトップダウン式の教育体制が続けられているから、いざ、校内で問題があった時には、教育委員会と文部科学省で責任の押し付け合いになると考えます。先の国会で日本国教育基本法案を作成した民主党では、「学校主権の確立」と「国の最終責任」を明確化するとしています。さらに、義務教育は無料とはいえ、塾に通えるかどうかで広がる子どもの学力格差。親の収入によって受けられる教育の格差を是正するために公教育を充実させるに充分な大幅な財源確保を訴えています。
 夜、遅い時間に塾の鞄を背負って家に帰る子ども達をよく見かけます。知人の子どもは、夕方に学校から帰宅をすると軽食を取らせ、菓子パンを持たせて塾に送り出し、子どもが家に帰ってくるのは10時過ぎ、と言います。
「公立の学力だと心配だから」
 多くの保護者が感じる不安だと思います。でも、子どもの食事や睡眠時間、思い切り遊ぶ時間を削ってまで勉強を押し付けたい、と考える保護者はいない、と考えます。
 国が責任を持つ教育とは、子どもの学力だけではなく、家族との食事や共に過ごす時間、自然と触れる経験など、勉強以外の「時間」を保障してあげられるようなものにしたいと思います。
 安倍新総裁は、臨時国会の中で教育基本法を改正したいと話していますが、その改正内容が子どもの立場にたったものなのかどうか、が大きな論点になると考えます。
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