負けた日本のサッカーは何故なの? | 瀬川爾朗blog

負けた日本のサッカーは何故なの?

最近、気持ちにゆとりが出たためか、新聞やテレビのスポーツ欄に関心を持つようになり、今年の2-3月の冬季オリンピックでは、ソチのスケートやスキーに妙に関心を持ち、続いて6月には、サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が始まり、テレビから目を離せない状態になってしまった。

ブラジル大会W杯での日本の評価は、初めは大変に高かった。
ある程度は勝ち上るに違いないとの前評判であった。しかし結果は、無念の1次リーグ敗退であった。

1次リーグはAからHまでの8グループに分かれ、それぞれ4か国より成り、総勢32か国より成り立っていた。そして各グループの中で互いに戦い、それぞれ2グループを勝ち残り者として、W杯決勝トーナメントで組み合わせを行う。このトーナメントの決勝は7月14日に行われるとのことであるから、今日は7月1日なので、まだ先の話になる。今年のアジア勢の成果は、1次リーグで日本、韓国、イラン、オーストラリアがいずれも白星なしの敗退であったので、次回はアジア勢の数を減らそうという話も出ているとのことである。


さて、
今年の日本サッカーの選手陣は、往年よりは、はるかに技術レベルが高く、前回には世界で8位とか16位とかに評価されていたので、今回、日本は、それ以上と思われていたのが、結果は逆であった。
ザッケローニ監督(イタリア国籍)は、日本の選手に対しては、試合中には、常に優しく接していたと思われる。先日、ザッケローニ監督は、帰国を前にして、次のように語った。

「4年間を振り返って見ると、適切な選手も選べたし、プレイ内容の精度も高められていた。しかし、短期間では、その実力を示せなかった」、と。
また、何人かの選手たちは、次のような感想を漏らしていたーーー

「チームの実力はこの4年間で確実に進化してきた。今回は残念」
「4年間で鍛えた自分の実力は十分に発揮できた」
「相手がメンバーも代えてきたのに、それをくずせなかった」
「特に後半は世界との差を感じた。もっと守備をしっかりしないと」
「すべてのレベルが足りない。縦パスをうまく仲間に合わせることが出来なかった」
「相手は決める所は決めてくる。その差は大きい。」
「逆転したかった。しかし、試合のリズムを変えられなかった」.....等々。



今回のサッカーに対する私の印象を述べたいと思う。

まず、サッカーの戦いについて、外国の選手たちは、本気の戦いをしていた、と感じた。
彼らの多くは、試合の間は、敵も味方も、また、己の監督のことも忘れて、将に眼前の敵にまともにぶつかっていったという事である。
これの極端がウルグアイのルイス・スアレス選手の敵にかみつくという行為であった。
今回も彼は不法行為により、高額の罰金とW杯出場停止、という罰を受けている。

もう一つ、サッカーの驚きは、身長の差を、積極的に武器として使っていることである。
ヘディングでボールを飛ばすことを積極的に行い、敵との身長の差を利用して、相手よりもより高い位置から、相手より一瞬早く、ヘディングするという技である。


最後に、
まとめとして、実際に試合の観覧を行った元日本代表MFの中田英寿氏の言葉を引用する。

平成26年の6月27日の朝日新聞に書かれたものである。

「日本は攻める姿勢は見せるものの、早く点を取りたいという気持ちのあせりから、日本らしい連動性のある動きがなかった。気持ちと頭とプレイにずれが生じていた。一方、コロンビアは日本の攻めを上手にいなし、リズム感のあるボール回しで、最後に1:4で日本に勝ったのである。」