大学で天才は育つのだろうか
一年の中で二月、三月という時期は、若い頃から、私にとっても、複雑な気分で過ごした季節でした。
私の受験した国立大学は、もう50年以上前でしたが、3月3日に入試が始まり、3月20日頃に入試結果の発表、ということで、未だに覚えています。
私は、その後、数10年間、大学に職を得ていましたので、大学紛争でいろいろな体験をしました。
ここ数10年間に、日本の学生教育の方針もめまぐるしく変わり、文部省の方針も、ほぼ10年刻みで、逆の指導をしてきたのではないかと思うほどです。
まさに国の教育方針は思いつきでなされたのではないかと疑いたくなります。
最近のニュースによれば、東京大学が、秀才ではなく、特別に優れた部分を持つ学生を別枠で合格させるという制度をつくる、といっています。
言い換えれば天才を選ぶという事なのでしょう。
このためには東京大学の教員が天才的でなければいけないのでしょうが、これまでの東大の先生が天才であったかどうか、即答は出来ませんね。
天才を教育できる先生はどのような先生なのでしょうか。
私は、これに一言で答えられる人はいないと思っています。
そこで最近知った日本の若い理系女子の話題を採りあげたいと思います。
先月の一月が終わろうとしていた矢先に、将に突然、理系女子の日本人の研究成果が英国のNATURE誌で採り上げられたことが報道されました。
分子生物学の範疇の仕事でありましたが、その成果は、一昨年ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞との優劣を検討できるレベルの成果であると見做されました。
その日本人は理化学研究所の小保方晴子(おぼかたはるこ)さん30歳であります。彼女のこの成果は、理学に弱いと言われた日本の女性が、理系女子としての能力をりっぱに発揮できた見本として大いに評価できるというものです。
山中教授の開発したiPS細胞は万能細胞(人工多能性幹細胞)でありましたが、その処理の過程から、癌化する危険性がある、と見られています。
それに比べて、小保方女史の成果は、細胞が窮屈な環境(例えば酸性の液体中)にさらされると、万能細胞としての機能を持ち始めるという訳で、細胞が癌化する危険性が少ない、と見做されるのです。
彼女は、この細胞をSTAP細胞と名づけています。
この方法の一例をもう少し具体的に示すと次のようになります。
新型万能細胞のつくりかた:
たとえば二十日鼠(mouse)の細胞を37°C 、
弱酸性(pH5.7)の溶液中に25分間置く。次に遠心分離して上澄みを取り除く。
この段階で約20%の細胞が生き延びる。これで得た細胞を3日間培養する。そうすると、それの1/3程度がSTAP細胞になる。(参照:朝日新聞2014年1月30日)
という訳ですが、この研究については現在、世界の研究者が注目している段階だそうで、当事者にとっても、口を慎まなければならない状況のようです。
私は、癌化に関しても、外部からの刺激で起こることもあるので、一概に除外できないと思っています。
私の受験した国立大学は、もう50年以上前でしたが、3月3日に入試が始まり、3月20日頃に入試結果の発表、ということで、未だに覚えています。
私は、その後、数10年間、大学に職を得ていましたので、大学紛争でいろいろな体験をしました。
ここ数10年間に、日本の学生教育の方針もめまぐるしく変わり、文部省の方針も、ほぼ10年刻みで、逆の指導をしてきたのではないかと思うほどです。
まさに国の教育方針は思いつきでなされたのではないかと疑いたくなります。
最近のニュースによれば、東京大学が、秀才ではなく、特別に優れた部分を持つ学生を別枠で合格させるという制度をつくる、といっています。
言い換えれば天才を選ぶという事なのでしょう。
このためには東京大学の教員が天才的でなければいけないのでしょうが、これまでの東大の先生が天才であったかどうか、即答は出来ませんね。
天才を教育できる先生はどのような先生なのでしょうか。
私は、これに一言で答えられる人はいないと思っています。
そこで最近知った日本の若い理系女子の話題を採りあげたいと思います。
先月の一月が終わろうとしていた矢先に、将に突然、理系女子の日本人の研究成果が英国のNATURE誌で採り上げられたことが報道されました。
分子生物学の範疇の仕事でありましたが、その成果は、一昨年ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞との優劣を検討できるレベルの成果であると見做されました。
その日本人は理化学研究所の小保方晴子(おぼかたはるこ)さん30歳であります。彼女のこの成果は、理学に弱いと言われた日本の女性が、理系女子としての能力をりっぱに発揮できた見本として大いに評価できるというものです。
山中教授の開発したiPS細胞は万能細胞(人工多能性幹細胞)でありましたが、その処理の過程から、癌化する危険性がある、と見られています。
それに比べて、小保方女史の成果は、細胞が窮屈な環境(例えば酸性の液体中)にさらされると、万能細胞としての機能を持ち始めるという訳で、細胞が癌化する危険性が少ない、と見做されるのです。
彼女は、この細胞をSTAP細胞と名づけています。
この方法の一例をもう少し具体的に示すと次のようになります。
新型万能細胞のつくりかた:
たとえば二十日鼠(mouse)の細胞を37°C 、
弱酸性(pH5.7)の溶液中に25分間置く。次に遠心分離して上澄みを取り除く。
この段階で約20%の細胞が生き延びる。これで得た細胞を3日間培養する。そうすると、それの1/3程度がSTAP細胞になる。(参照:朝日新聞2014年1月30日)
という訳ですが、この研究については現在、世界の研究者が注目している段階だそうで、当事者にとっても、口を慎まなければならない状況のようです。
私は、癌化に関しても、外部からの刺激で起こることもあるので、一概に除外できないと思っています。