達増拓也知事の面白さ | 瀬川爾朗blog

達増拓也知事の面白さ

最近特に、岩手県知事達増氏のユニークな人柄に妙に引かれ始めています。
日頃私は、県知事とは、どちらかと言えば地味な職務だと思っていたが、今頃になって、達増拓也知事のユニークさに気付いたのです。

思えば達増知事は先日、10月28日に東京でお会いしたときに、私は49歳になったと言っておりました。
ただ、最近の新聞記事で、達増さんがマンガの話をよくするということを訊いていましたので、先日会った時にも、私はマンガのことを話題にしました。


振り返ってみると、私の子供の時代はマンガの無い時代でした。
特に年齢が9歳以下の時には、日本は戦争一色に染まっていましたから、本屋さんでマンガ本を買ったという記憶もなく、親が持っていた昔の本の挿絵などを見るのが精一杯のことでした。
その内に、大戦後の町にも本屋が出始めたのですが、本を買うことはなかなか出来ませんでした。

しかし、ある時、本屋で「宝島」というマンガを見つけ、これは英国のロバート・スティーブンソンが1883年に公表した子供向け海洋冒険小説だと分かりました。
そして、これの翻訳をちらりと見て、そのまま目を離せなくなってしまったことを思い出します。

これは少年ジムと意地悪な大人のシルバーとの争いだったのですが、最後には少年が勝つという物語だったのです。
これ以外の私の読書と言えば、今でも続いている誠文堂新光社の「子供の科学」位なものでした。


一方、達増知事の時代は、日本の出版物は本屋にあふれていましたね。

達増知事の岩手県に関するマンガの編集・出版活動は、平成23年1月のマンガの単行本「コミックいわて」(岩手県知事達増拓也編)の3万6千部の売り上げという成功から始まったのです。

ここでは達増拓也責任編集という謳い文句が功を奏したと言えます。
これは東日本大震災直前の仕事だったのですが、その震災後にも重要な成果がありました。

この達増知事が昨年、平成24年11月30日に、岩手県で取り組んだ「いわてマンガプロジェクト」が、法政大学から新機軸の政策を立案・実施している自治体として「イノベーティブ・ポリシー賞」を頂いたのですが、これは岩手県において、ソフトパワー戦略が有効であることを証明したものでした。


私の時代には、小学生はマンガを読んではいけない、などと言われた時代なのですが、達増さんを取り巻く多くの漫画家の中には優れた人が居るようです。
彼のもう一つの仕事である平泉の中尊寺の世界遺産化に伴う仕事の中で、「東北復興平泉宣言」を日本全国に広げるために、仙台市出身の漫画家荒木飛呂彦氏の協力を得ました。

荒木さんは、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの出版をしているのですが、この中で「ジョジョ立ち」する姿が面白いという事で、日本中で有名になっている方だそうです。
両手を開いて前につき出し、腰を右(左)に曲げ、片足を少し前につきだす。
この姿を人間や動物にやらせて、その奇妙な雰囲気を楽しむらしい。

中尊寺の初代藤原清衡公とか、フィギャースケートの浅田真央さんとか、時には猫ちゃんなどにやらせて楽しむのだそうです。
これも、ゆくゆく岩手県の成果となるのでしょうか。