マグニチュード9以上という地震 | 瀬川爾朗blog

マグニチュード9以上という地震

日本でM=9以上という地震が起きました。

日本の東太平洋地域で日本海溝 に沿って昨年の3月11日にM=9 あるいはそれ以上の地震が起こり、その後の1--2日の間に発生した地震のエネルギーが延べ9.5に迫ったといいます。
これは実に大変なことで、これまで数10年の間に起こった環太平洋地域---日本、カナダ、アメリカ、インドネシア、台湾---などで起こった地震を総なめにして数えたことになります。


昨年の3月11日の地震では、気象庁の最初の計算でM=7.9という結果で発表されました。
これが後で大問題となったわけですが、それの追試による4--5件の再計算の結果が報告されています。

後から発表された気象庁の結果を見ると、地震発生から3分以内に津波警報をだそうとするとマグニチュードが8.4で頭打ちとなり、8以上かどうかを正確に調べようとすると15分以上かかるということです。
その一例の計算では、15分以上かけることによりM=9.0になるのです。


以上は地震波の計測から結果を推定したものですが、そうでない場合の推定方法はあるだろうか。
それが今度の事件以後、‘ある’という結果になりそうなのです。


北海道大の成果によると、東北太平洋岸では600—1300年間隔で巨大津波が繰り返し発生していた可能性が指摘されています。
宮城県気仙沼市の海岸で見つかった津波堆積物には崖の上に大きな石を含んだ海岸の砂が何層もあります。
この砂には津波堆積物があり、その火山灰は869年の超巨大な貞観津波の痕跡を示す目印になっています。


さらにもう一つ、宮城県の「松島町」は芭蕉の俳句にもみられるとおり、ものすごく風光明媚で、普段は静かなところであります。
ここの津波はどうなのかというと、今度の結果を見る限り、周辺の被害に比べ、あの入り組んだ湾形は、きわめて被害が少ないのです。
周辺の、例えば名取市などに比べ、ほとんど被害がないといってよでしょう。
これは将に松島湾の力学的な結果がそうしたもので、対津波の防波堤の理想的な形ではないかと考えられます。


以上、最近の日本における津波の特徴を示しましたが、実に色々な情報があり、また、新しいもの、古いものなどがゴチャゴチャであることが感じられます。
この津波の被害は所と時により様々でありますが、最後には、やはり人間関係が大きくかかわっていると思われます。

岩手県の釜石市は7—800人の死者を出しているところですが、こと学生については、その被害はきわめて少ないのです。
小中学生について言うと、その被害者は0.2%ということです。

もう一つ、この津波被害で、まっさきに被害を受けたのは新聞社だという話もあります。
岩手県でも地元紙を持っている新聞社が、地震津波の当日からの休刊をなくする、ということにいかに苦労したか、という話があります。

思うに、巨大地震津波についてみても、よく見ると、まだまだ不思議なことがあり、とても一朝一夕ではものにならない、と考え込んでしまうのです。