菊池雄星君の成長を願って | 瀬川爾朗blog

菊池雄星君の成長を願って

3歳にして神童、12歳で凡庸(ぼんよう)、20歳の秀才、30歳のぼんくら。

このような譬話(たとえばなし)は昔からあり、子供から大人にかけての人材作りが、いかに難しいものであるかを物語っている。



さて、岩手県人会としても関心を持たざるを得ない快事は、甲子園球児 菊池雄星 君が岩手の高等学校から飛び出てきたことである。

花巻東高校が甲子園で準優勝を遂げたことは岩手県として近年まれなる快挙である。

また、それ以上に最近の投手としての雄星君の評価は、マスコミでは抜群であるように見える。

おそらく、2~3歳の子供を抱えた親御さん達は、皆、あのような優れた子をどうやって育てたのだろうかと大いなる関心を持つ。


天才は10歳台であらわれると言われるが、本当に大成するのは、やはり20歳台から30歳の時期である。

この時期に人の評価がほぼ定まる。

一流大学に合格した若者がその後、人生の目標を失うのもこの時期である。

日本では、大学在学中の勉学がとかく疎かとなり、卒業の時期には外国の学生に大きく後れを取ると言われている。


一方、マスコミが人をだめにするとも言われている。

マスコミは突出した人間を大いに世に知らせるという点では大きく貢献している。

しかしその度が過ぎ、その人を甘やかすが故に、成長を止めてしまうという災厄がある。

おそらくマリナーズ外野手のイチロー選手などは、そのことを心得ていて自戒としているのではないだろうか。



最近の日本政治の大きな流れは、地方の再興である。

これはまた我々県人会の目的でもある。

地方は国の懐(ふところ)である。

懐の深さが国の潜在力を維持することを鑑(かんが)みれば、さまざまなフィールドでの第2、第3の雄星君を生み出していきたいものである。