ふるさとの再発見 | 瀬川爾朗blog

ふるさとの再発見

岩手県人連合会の会長も3年目となりました。

先任者の高橋圭三氏、井上ひさし氏(お二方共に超有名人ですが)のあとを受けての就任でしたので、私に出来るのだろうかという心配がありました。

しかし、幹事会の決定ですということでお引受したわけです。


先任の2人の会長は、年1回の総会にのみ出席する、という条件で引き受けていただいたわけですが、会長様を一目みたいという方々で、総会は超満員となったのです。

時には参加者が多すぎて、会場で動くことも出来ないという有様でした。

井上ひさし氏の開会のご挨拶では、話しながら、あと何分時間がありますか、と訊くのが常でしたが、司会者は何分でもどうぞ、といってむしろ長く話してもらうように促したわけです。


最初の総会の私の挨拶は長すぎるといって後で怒られたのとは対照的でした。

これが岩手県人会での学習の第一でした。


県人連合会の会長は日頃の活動が大事だと私は考えております。

これは会のためでもありますが、自分のためでもあります。

特に岩手県各地のふるさと会に参加することにより多くのことを学ぶことが出来ます。

自分は岩手県のことをほとんど知らなかったのだという後悔にも似た気持ちが最初の感想でした。

私は三陸海岸の釜石市の生まれなのですが、母校の校歌に、



「西にそびえる愛染の千古の姿さんぜんと」



とあるように釜石から見える愛染山や五葉山を釜石のものとして讃えていた訳ですが、山向こうには住田町という町があり、その町も、これらの山を我が山として敬愛し讃えていることを知らなかったのです。また、他のいくつかのふるさと会では、その町がどこにあるのだか分からず、挨拶のとき、うっかりそれを口にしたため、散々しかられたことがありました。


岩手県は広大であり、2つの山脈と太平洋を抱えております。

その中では長い歴史に育まれた人、多様な文化、技術、産業、が根ざしています。

友人に誘われ、それこそ1人では行けなかったであろう県内の町を訪問でき、貴重な体験をしたこともありました。


岩手県人連合会の中での各ふるさと会は、県人会に対する期待が必ずしも一様ではないようです。

連合会を盛んにするために、執行部は総会の参加者を増やそうと躍起になるわけですが、参加者は必ずしも増えない。

ふるさと会レベルでは非常に活発に動いている会なのに県人会への参加者が極めて少ない、というふるさと会がいくつかあることに気がつきました。

そのようなふるさと会では、会のリーダー達が岩手県を見るのではなく、国家ないしは首都に目が向いているらしい。

自分の町と国を直接結びつけようとする。

このようなふるさと会は、県人連合会などは相手にせず、という意識があるのでしょうか。

いま世の中では地方の格差是正の動きが高まっております。

東京だけがよければ日本はよし、とはならないことは明らかです。

はじめ訳のわからない子供を親が愛情を込めて引き上げていくとき、子供が多いほど、やがて頼もしい人間が出来上がっていくことは、歴史が証明していることです。

豊かな土地を持ち、豊かな人材の育つ岩手県こそ、手を携えることにより、大きく育っていくのではないでしょうか。